【第9回】再生可能エネルギーについて~地熱発電~
再生可能エネルギーについて
~地熱発電~
日本は世界第3位の豊富な地熱資源量を持っており、地熱発電のポテンシャルが非常に高い国です。
地熱発電は、CO2排出量がほぼゼロで、持続的に発電が可能な再生可能エネルギーであり、天候などの自然条件に左右されず安定的に発電できる「ベースロード電源」であり、発電に使用した熱水をハウス栽培などに二次利用できるといった特徴もあります。
にもかかわらず、実際に導入されている発電設備容量は、現在約60万kWにとどまっており、資源量に対する割合からすると、世界的に見ても少ないといえます。
その理由のひとつには、地熱が目に見えない地下資源であり、開発にかかるリスクやコストが高いこと、また地熱資源が北海道や東北、九州など火山地帯にかたよって存在しており、適した地域が限られているといった自然的な条件が挙げられます。加えて、地熱を利用することで温泉資源への影響を心配する地元の声があること、また、関連する法令の規制などにより、開発に必要な許認可手続きなどの対応が求められるケースがあるなど、社会的な面での課題もあります。
しかし、2050年カーボンニュートラル達成という大きな目標を実現するために、地熱発電のポテンシャルをもっと生かしていく必要があると判断した政府は、2030年には148万kW、つまり現在の2倍以上の導入目標を定め、積極的に導入拡大をはかることを決定しました。
次回からは、そのために乗り越えるべき課題や、今後の方針等についてご説明していきます。
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