【第13回】風力発電の事例の紹介~風力発電2~
第13回 風力発電の事例の紹介~風力発電2~
前回、風力発電の普及状況やメリット・デメリットについてお伝えしましたが、今回は、風力発電の設置事例(陸上・洋上)についてご紹介します。
株式会社青山高原ウィンドファーム(本社:三重県津市)が2017年2月に運転を開始した陸上風力の新青山高原風力発電所は、発電出力が80,000kw(2,000kwの風車が40基)、2023年3月31日現在に、国内で運転している陸上風力の中では、最大規模の風力発電となっています。室生(むろう)赤目(あかめ)青山(あおやま)国定公園内に立地し、自然景観への配慮や地域との共存を図ることに加え、事業地内に再生可能エネルギーの教育や情報発信を行う「風のめぐみの館」を設置し、環境学習にもつなげています。
【出典:株式会社青山高原ウインドファームHP及び資源エネルギー庁HP】
また、洋上風力では、株式会社ウィンド・パワー・グループ(本社:茨城県神栖市)が2010年6月に運転を開始したウィンド・パワーかみす洋上風力発電所(第1・第2)で、発電出力は30,000kwとなっています。護岸から、40~50mの水域に、陸上から風車を建設するという方法により、建設コストの低減を実現し、岸から管理橋が架けられていることで、陸上と同様のメンテナンスを行うことができる利点があります。
【出典:資源エネルギー庁HP及び茨城県HP】
風力発電は風況によって発電量はかなり左右されるものの、計画段階で風況の良い箇所に設置を検討しているため、十分な発電量を安定的に確保でき、脱炭素を目指す上で欠かせない設備となります。
しかし、風力発電施設は、景観・生態系・騒音等さまざまな影響を与えることから、設置に関しては、環境アセスメント(環境に与える影響への評価)を十分に行い、地域住民との合意形成が特に重要な設備であることから、安易な設置を許すのでなく慎重な議論を重ねる必要があります。
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