八雲町水産業の概要及びホタテ養殖の概要について
八雲町水産業の概要について
八雲町は北海道の南西部渡島半島の北部にあって太平洋の噴火湾と日本海の二つの海に面した町であります。東西38km、南北57km、面積955.90キロ平方メートル、海岸線は太平洋側32km、日本海側20kmあり、農業と並んで当町の基幹産業である漁業は、噴火湾ではホタテガイ養殖漁業を主体として、サケ定置、カレイ等刺網、コンブ等の採藻業、ホッキガイ桁びき等、日本海ではスケトウダラ、イカ漁を主体とし、アワビ養殖漁業等が行われています。八雲町の太平洋側(旧八雲町)には、2つの漁業協同組合があり、年間の漁獲金額は60億円ほどで、その内ホタテガイで7割以上を占める「ホタテのまち」であります。
ホタテ貝養殖
八雲町のホタテガイ養殖は垂下式養殖と言われる方法で、海面に養殖用の「桁」(ホタテ貝養殖施設概略図[PDFファイル/240KB])という太いロープを張りその「桁」に、ホタテガイを篭に入れたり、ロープに吊したりして育てます。(ロープに吊す方法は「耳吊り」と呼ばれ、ホタテガイの耳という部位に穴を開けてテグスやピンを用いてロープに固定します。)
耳に穴を空けたホタテ
耳吊りロープの一例
桁に吊した耳吊りロープ
ホタテ貝養殖作業のサイクル
(ホタテ貝養殖作業スケジュール[PDFファイル/463KB])
5~6月頃、海中を浮遊するホタテの赤ちゃん(ラーバ)を、採苗器(棒網、ネトロン)を吊し、付着させます。
採苗器
ホタテラーバ(浮遊幼生)
7月頃からは、採苗器に付着したホタテのラーバをザブトン篭に入れて、海中に吊し、ホタテの成長にあわせ、順次ザブトン篭の目が大きいものにホタテの枚数を減らしながら入れ替える作業を行い、翌年の2月頃まで育成します。
養殖用篭
稚貝の入替作業
2月下旬~5月 ザブトン篭の中で越冬したホタテガイ(5~6センチメートル)を耳吊りし、出荷できるまで本養成を行います。
耳吊り作業
本養成中のホタテ貝
11月頃から2年貝(新貝)を水揚げし、耳吊りロープから外し出荷します。2年貝として出荷しなかったものは、耳吊りのままか、丸篭に入れ替えてさらに大きくして翌年、11~3月頃まで育成し、3年貝として出荷します。
※画像資料提供:北海道渡島総合振興局渡島北部地区水産技術普及指導所