Tさんを紹介します
平成20年6月に栃木県足利市より八雲町へ移住された T さんを紹介します。Tさんは北海道で「馬を飼って生活したい」という夢を掲げ、八雲町でその夢を実現させました。現在は奥様と馬1頭、ポニー1頭と町内で暮らしています。また、早い段階から定年後の生活をどうしたいのか、自問自答を繰り返しながら、計画を立てられました。そんなTさんからアドバイスを頂きました。
八雲町へ移住したきっかけを教えてください。
労務管理の事務所を運営していたのですが、一緒に働いてくれていた方が退職をされたとき、自身の定年について考えるようになりました。事務所のオーナーである私には定年退職はなかったのですが、60歳を区切りにしようと決意し、定年後の生活を考えるようになりました。では、何をしたいのか自問自答するうち、自分の趣味を活かした方が良いと思い、「馬と生活する」という夢を描くようになりました。馬を飼うにはそれなりの条件が必要で、獣医さん、装蹄師さんが近くにいることや広い土地が必要ということを考え、北海道が一番適していると思いました。移住先を探し北海道へ行きましたが、現実は厳しく、移住への壁は高かったです。そんな中、手を上げてくれたのが八雲町でした。酪農の町である八雲町は、馬を飼う環境に恵まれていました。牛舎を改築し馬房にできましたし、環境整備のために様々な方が手助けしてくださいました。
スマイリー(上)とレディ(下)
八雲町での生活を教えてください。
朝4時頃に起床し、馬の手入れや餌をやる。軽い作業をこなした後の朝食は喉の通りも良いです。食後は馬を放牧し、馬房の掃除。一通り作業が終わったら、馬の調教。夏だったら朝早くから馬に乗ったり。冬だったら温かい部屋でゆっくり本を読んだりと、季節に合わせた時間の使い方を心がけています。町内の温泉もよく利用しています。こういった資源を利用しない手はないですね。また、周辺の柵を作ったり補修したり、ガーデニングにも力を入れています。
私が目指した移住後の生活は、住まいにゲストルーム、馬房、放牧場など、馬を飼うのに必要なものは初めに作り、それ以外は時間をかけてのんびり作りたいと思っていました。いつまで経っても夢のある未完成の「馬のいる家」であってほしいと思っています。地元の方や知人、そしてこれから知り合う方々が、馬に乗ったり、一緒に柵作りに励んだりと、馬を介して多くの人と知り合えたら素晴らしいことだと思います。
八雲町に住んでみた感想は?
なんといっても人の温かさです。八雲町へ移住して、馬を飼う夢を実現できたのは、ご近所の方々が私の夢に理解をしてくださり、温かく迎えてくれたこと、環境整備において地元の業者さんが応援してくれたことにつきます。「私たちの夢をかなえてあげよう」という気持ちが伝わってくるようでした。
また、八雲町は何かとお世話になる獣医さんもいますし、生活必需品を買えるスーパーもあります。何不自由なく生活できます。住宅も高気密・高断熱の為、実に快適で、家の中は足利市に住んでいた時よりも温かいですね。冬の除雪作業も気楽に運動するくらいの考え方でやっています。残念なのが思ったよりも天気が悪い点ですね。
牛舎を改築した馬房(写真奥)裏には馬場があります。
移住を考えている方へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
やりたいと思ったら、何でもできる。要はやるか、やらないかだけです。本当にやりたいことを見つけ、熱意をもって取り組んでいけば、必ず道は開けると思います。定年退職後は現役時代より圧倒的に時間が増えます。自分なりの生活設計を立てておかないと時間を持て余すと思います。
また、私が移住計画を立てた時、一番問題なのは資金面でした。北海道に移住するのにどれだけ資金が必要なのか?移住後の生活費は?等、収支のバランスを考えた時、現実的に移住後の生活が可能なのか、しっかり考える必要があります。私は移住の際の資金を幸運なことに準備できましたが、それは多くの仲間(知り合い)の協力があったからです。人と人のつながりも大切にしたいですね。
ありがとうございました。