梅村庭園・梅雲亭の概要
梅村庭園は、愛知県東春日井郡和爾良村(ひがしかすがいぐん かにらむら)(現 春日井市JR春日井駅・春日井市役所付近)から移住してきた梅村多十郎氏が、1930(昭和5)年頃に屋敷の庭として造園しました。
梅村多十郎氏は、1892(明治25)年に八雲村サランベに入植し、農業に従事しました。その後、馬鈴薯澱粉製造や菓子製造業を営み、1901(明治34)年には農業を止め、サランベから市街地に移り住みました。そして1912(明治45)年に梅村家別宅のあった現在の梅村庭園の場所に、蔵・離れ・洋館からなる住宅を建てるのとともに、近隣の樹木や石を使用して庭の造園に取りかかりました。1923(大正12)年頃には、造園師野中松太郎氏の手が加えられ、完成したのは1930(昭和5)年でした。
整備前の梅村邸(1984年町勢要覧より)
庭園は、1983(昭和58)年5月に、八雲町指定文化財に指定され、多くの方に利用されてきました。2001(平成13)年八雲町が梅村家の好意により譲り受け、町民が身近に緑を鑑賞し、四季を通じて集い楽しめる公園として2002・2003(平成14・15)年に整備を行いました。
庭園は、池泉回遊式庭園で、中心にある池は湧水で満たされ、1年中枯れることはありません。池の周りには、築山や枯れ山水などたくみに配置されています。また、建てられた当時では珍しいコンクリートで作られた灯籠も配置されています。
園内には、ムラサキツツジ、レンゲツツジ、ヤマツツジ、サツキ、クルメツツジ、リュウキュウツツジ、ドウダンツツジ、ヨドガワツヅジなど色々なツツジをはじめ、イチイ(オンコ)、エゾヤマザクラ、ソメイヨシノ、アカマツ、モミジ、コウヤマキ等の樹木、スミレ、カタバミ、シャクナゲ、カンアオイ、スイセン等の草花が植えられ、四季折々の景観を楽しむことができます。
梅雲亭は、1912(明治45)年に建てられた旧梅村家住宅の離れや蔵を利用し、二つの建物をつなぐように建てられた庭園見学の休息施設です。
新たに建てられた建物には、旧梅村家の欄間、座敷飾りなどがそのまま使用されており、建物内部から庭園を見ることができるほか、旧梅村家の離れや蔵を見学することができます。