八雲町立学校に係る部活動の方針
方針策定の趣旨等
- 生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動は、スポーツや文化、科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等、学校教育が目指す資質・能力の育成に資するものである。
- 学校教育の一環として行われる部活動は、体力や技能の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で、生徒同士や生徒と教師等との人間関係の構築を図ったり、生徒自身が活動を通して自己肯定感を高めたりするなど、生徒の多様な学びの場として、教育的意義が大きい。
- 部活動を実施する上では、生徒の学校生活等への影響を考慮した休養日や練習時間を設定し、けがの防止や心身のリフレッシュを図るほか、部活動だけではなく、多様な人々と触れ合い、様々な体験を充実させるなど、生徒のバランスのとれた生活や心身の成長に配慮する必要がある。
また、教師が、部活動指導に過度の負担を感じることなく、健康でいきいきとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高められる環境を構築するためには、部活動が合理的でかつ効率的・効果的に行われる必要がある。 - こうした中、平成30 年3月、スポーツ庁では、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(以下「国のガイドライン」という。)を策定し、北海道(以下「道」という。)では、国のガイドラインに則り、広域性や気候など本道の特色及び学校の部活動の実態などを踏まえ、運動部活動と文化部活動を区別することなく、一体的な「北海道の部活動の在り方に関する方針」(以下「道の方針」という。)を策定した。
- そこで八雲町(以下「町」という。)では、国のガイドライン及び道の方針に則り、八雲町立学校における部活動が、地域や児童生徒の実態を踏まえ、その本来の目的を達成できるよう、持続可能な部活動の在り方について検討し、「八雲町立学校に係る部活動の方針」(以下「本方針」という。)を策定した。
- 本方針は、義務教育である中学校段階の部活動を主な対象とし、部活動が、地域、学校、競技種目、専門部等に応じた多様な形で最適に実施されることを目指す。
- 文化部活動に関しても、運営体制の整備や適切な休養日等の設定など、当面、国のガイドラインに準じた取扱いをすることとされていることから、本方針においても文化部活動は運動部活動と同様に本方針を適用する。
なお、学校での音楽やダンスなど同好会等の活動においても、学校の管理下で顧問(責方針策定の趣旨等任者)の指導の下、部活動と同程度に継続的に行われており、生徒、保護者、地域住民等からも部活動と同様な活動として受け止められている状況がある場合は、それらの活動を部活動に含めて考えることとし、本方針の適用の対象とする。
1 適切な運営のための体制整備
(1)部活動の方針の策定等
- 校長は、本方針に則り、毎年度、「学校の部活動に係る活動方針」を策定するとともに、校内に部活動に係る相談・要望の窓口を設置する。
- 校長は上記Aの「活動方針」及び「相談・要望窓口」の担当、連絡先等を学校のホームページへの掲載等により公表する。
- 校長は、各部の責任者(以下「部活動顧問」という。)に対し、年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)並びに毎月の活動計画及び活動実績(活動日時・場所、休養日及び大会参加日等)を別に定める様式により作成・提出を求める。
また、校長は、部活動顧問に対し、毎月の活動計画にある活動の開始及び終了時間を遵守するよう指導するとともに、計画を変更する場合は、あらかじめ校長の承認を得るよう指導する。 - 校長は、上記Cの各部活動の年間の活動計画、毎月の活動計画及び活動実績等をもとに、教師や生徒の負担が過度とならないよう、必要に応じて指導・是正を行う。
- 校長は、部活動顧問に対し、当該顧問が年間及び毎月の活動計画、活動全般及び大会出場等に要する経費等に係る資料(部活動通信等)を配布するなどして、「活動方針」と併せて、保護者・生徒の理解を得るよう指導する。
(2)指導・運営に係る体制の構築
- 校長は、生徒や教師の数、部活動指導員の配置状況を踏まえ、指導内容の充実(部活動顧問の専門性等)、生徒の安全の確保、教師の長時間勤務の解消等の観点から円滑に部活動を実施できるよう、適正な数の部を設置する。
- 校長は、部活動顧問の決定に当たっては、校務全体が効率的・効果的に実施される必要があることに鑑み、可能な限り、部活動ごとに複数の顧問を配置するなど、学校全体としての適切な指導、運営及び管理に係る体制が構築されるよう十分考慮する。
- 校長は、生徒指導の視点に立った部活動運営に努めるとともに、部活動を顧問任せにせず、学校全体に開かれたものとするよう、部活動の活動状況や生徒の状況等を交流する場(部活動顧問会議等)を定期的に設ける。
- 町は、各学校の規模、部活動の実施状況などを踏まえ、必要に応じて外部指導員等を配置できるよう地域のスポーツ少年団、体育協会等との情報交換や連携に努める。
なお、その場合は、学校教育について理解し、適切な指導を行うために、部活動の位置付け、教育的意義、生徒の発達の段階に応じた科学的な指導、安全の確保や事故発生後の対応を適切に行うこと、生徒の人格を傷つける言動や、体罰は、いかなる場合も許されないこと、服務(校長の監督を受けることや生徒、保護者等の信頼を損ねるような行為の禁止等)を遵守すること等に関し、関係団体の協力を得ながら研修を行う。 - 町は、部活動顧問を対象とする指導に係る知識及び実技の質の向上並びに生徒の人格を傷つける言動や、体罰は、いかなる場合も許されないことの徹底、また、学校の管理職を対象とする部活動の適切な運営に係る実効性の確保を図るための研修等の取組を行う。
- 町及び校長は、教師の部活動への関与について、「学校における働き方改革に関する緊急対策(平成29 年12 月26 日文部科学大臣決定)」及び「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(平成30 年2月9日付け29 文科初第1437 号)」「教職員の働き方の改善にかかる取組プラン(平成30年4月1日八雲町教育委員会教育長決定)を踏まえ、法令に則り、業務改善及び勤務時間管理等を行う。
2 合理的でかつ効率的・効果的な活動の推進のための取組
(1)運動部活動の適切な指導の実施
- 校長及び運動部顧問は、部活動の実施に当たっては、文部科学省が平成25 年5月に作成した「運動部活動での指導のガイドライン」に則り、生徒の心身の健康管理(スポ―ツ障害・外傷の予防やバランスのとれた学校生活への配慮等を含む。)、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶に向け次に掲げる点について徹底する
- 部活動顧問は、毎回の活動を開始するにあたって、事前に生徒の健康観察を行い、体の不調や体力の不安、外傷等が認められる場合には当該生徒を休養させるなどの措置を講ずる。
- 部活動顧問は、毎回の活動を開始するにあたって、事前に活動場所や活動に必要な用具の点検を行い、破損や不備が認められる場合には使用を取りやめる。
- 校長は、定期的に巡視を行い、活動場所や活動用具に破損や不備がないかを確認し、破損等が認められた場合には、部活動顧問に対し使用を中止するよう速やかに指導する。
- 部活動顧問は、毎回の活動を開始するにあたって、生徒に十分なウォーミングアップを行わせ、活動中のけがの防止に努める。
- 部活動顧問は、活動に当たって屋内外を問わず熱中症の予防に十分配慮する。
なお、熱中症の予防については「暑さ指数(WBGT)」を参考にし、「暑さ指数」が31℃以上ある場合には活動を中止し、「暑さ指数」が25℃以上ある場合には持久走や激しい運動など体温が上昇しやすい活動を避けるとともに、十分な休息や水分・塩分の補給に配慮する。
※「暑さ指数(WBGT)」とは、労働環境や運動環境の指針として認められ、ISO等で国際的に規格化されている。(詳細は「資料2」または、次の環境省「熱中症予防サイト http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php<外部リンク>」を参照。 - 部活動顧問は適切な指導方法、コミュニケーションの充実等により、生徒の意欲や自主的、自発的な活動を促す。
- 部活動顧問は、「肉体的、精神的な負荷や厳しい指導」と「体罰等の許されない指導」をしっかりと区別し、体罰やハラスメントの根絶を徹底する。
学校教育の一環として行われる部活動では、指導と称して殴る、蹴ることはもちろんのこと、懲戒としての体罰が禁止されていることは当然である。
また、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定したりするような発言や行為は決して許されない。
これは教師(または外部講師)と生徒間のみならず、生徒同士(先輩と後輩間等)でも同様であり、そうした行為が行われないよう適切な指導を行う。
※通常のスポーツ指導による「肉体的、精神的負荷」として考えられる例
- バレーボールで、レシーブの技能向上の一方法であることを理解させた上で、様々な角度から反復してボールを投げてレシーブをさせる。
- 柔道で、安全上受け身をとれることが必須であることを理解させ、初心者の生徒に対して、毎日、技に対応できるような様々な受け身を反復して行わせる。
- 練習に遅れて参加した生徒に、他の生徒とは別に受け身の練習を十分にさせてから技の稽古に参加させる。
- 野球の試合で決定的な場面でスクイズを失敗したことにより得点が入らなかったため、1点の重要性を理解させるため、翌日、スクイズの練習を中心に行わせる。
- 試合で負けたことを今後の練習の改善に生かすため、試合後、ミーティングで生徒に練習に取り組む姿勢や練習方法の工夫を考えさせ、今後の取組内容等を自分たちで導き出させる。
※「体罰等の許されない指導」と考えられるものの例
- 殴る、蹴る等。
- 社会通念、医・科学に基づいた健康管理、安全確保の点から認め難い又は限度を超えたような肉体的、精神的負荷を課す。
(例)- 長時間にわたっての無意味な正座・直立等特定の姿勢の保持や反復行為をさせる。
- 熱中症の発症が予見され得る状況下で水を飲ませずに長時間ランニングをさせる。
- 相手の生徒が受け身をできないように投げたり、まいったと意思表示していたりしているにも関わらず攻撃を続ける。
- 防具で守られていない身体の特定の部位を打突することを繰り返す。
- パワーハラスメントと判断される言葉や態度による脅し、威圧・威嚇的発言や行為、嫌がらせ等を行う。
- セクシャルハラスメントと判断される発言や行為を行う。
- 身体や容姿に係ること、人格否定的(人格等を侮辱したり否定したりするような)な発言を行う。
- 特定の生徒に対して独善的に執拗かつ過度に肉体的、精神的負荷を与える。
- 校長は、運動部顧問に対し、次のことを指導・徹底する。
- スポーツ医・科学の見地からは、トレーニング効果を得るために休養を適切に取ることが必要であること。
- 過度の練習がスポーツ障害・外傷のリスクを高め、必ずしも体力・運動能力の向上につながらないこと等を正しく理解すること。
- 生徒の体力の向上や、生涯を通じてスポーツに親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。
- 生徒がバーンアウトすることなく、技能や記録の向上等それぞれの目標を達成できるよう、競技種目の特性等を踏まえた科学的トレーニングの積極的な導入等により、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行うこと。
- 専門的知見を有する保健体育担当の教師や養護教諭等と連携・協力し、発達の個人差や女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導を行うこと。
(2)文化部活動の適切な指導の実施
- 校長及び文化部顧問は、部活動の実施に当たっては、生徒の心身の健康管理、事故防止(活動場所における施設・設備の点検や活動における安全対策等)及び体罰・ハラスメントの根絶に向け次に掲げる点について徹底する。
- 部活動顧問は、毎回の活動を開始するにあたって、事前に生徒の健康観察を行い、体の不調や活動に困難がある外傷等が認められる場合には当該生徒を休養させるなどの措置を講ずる。
- 部活動顧問は、毎回の活動を開始するにあたって、事前に活動場所や活動に必要な用具の点検を行い、破損や不備が認められる場合には使用を取りやめる。
- 校長は、定期的に巡視を行い、活動場所や活動用具に破損や不備がないかを確認し、破損等が認められた場合には、部活動顧問に対し使用を中止するよう速やかに指導する。
- 部活動顧問は、活動に当たって屋内外を問わず熱中症の予防に十分配慮する。
なお、熱中症の予防については「暑さ指数(WBGT)」を参考にし、「暑さ指数」が31℃以上ある場合には活動を中止し、「暑さ指数」が25℃以上ある場合には体温が上昇しやすい活動を避けるとともに、十分な休息や水分・塩分の補給に配慮する。 - ※「暑さ指数(WBGT)」とは、労働環境や運動環境の指針として認められ、ISO等で国際的に規格化されている。(詳細は「資料2」または、次の環境省「熱中症予防サイトhttp://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php<外部リンク>」を参照。
- 部活動顧問は適切な指導方法、コミュニケーションの充実等により、生徒の意欲や自主的、自発的な活動を促す。
- 部活動顧問は、「肉体的、精神的な負荷や厳しい指導」と「体罰等の許されない指導」をしっかりと区別し、体罰やハラスメントの根絶を徹底する。
学校教育の一環として行われる部活動では、指導と称して殴る、蹴ることはもちろんのこと、懲戒としての体罰が禁止されていることは当然である。
また、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定したりするような発言や行為は決して許されない。
これは教師(または外部講師)と生徒間のみならず、生徒同士(先輩と後輩間等)でも同様であり、そうした行為が行われないよう適切な指導を行う。
- 校長は、文化部顧問に対し、次のことを指導・徹底する。
- 生徒の技能の向上や、生涯を通じて文化活動に親しむ基礎を培うことができるよう、生徒とコミュニケーションを十分に図ること。
- 生徒がバーンアウトすることなく、技能の向上等それぞれの目標を達成できるよう工夫し、休養を適切に取りつつ、短時間で効果が得られる指導を行うこと。
3 適切な休養日の設定
- 部活動における休養日及び活動時間については、成長期にある生徒が、学習、運動、 食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう、次を基準とする。
- 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末又は祝日に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)。
また、学校閉庁日を設定する場合は、その期間を休養日(ただし、町主催行事への参加はこの限りではない)とし、道民家庭の日(毎月第3日曜日)は、休養日とするよう努める。
休養日には学校で行う朝練習や自主練習も行わない。
大会やコンクール等の前で、やむを得ず活動を行う場合(中体連、中文連等が主催する大会、コンクール等の日の前日から起算して1か月以内の期間の場合)は、平日の活動時間を3時間以内、週末の活動時間を4時間以内の週16時間以内とし、休養日に活動を行った場合には、代替の休養日を実施する。
なお、ここでいう大会やコンクールは参加することが校長により承認され、1の(1)のウにより作成した年間計画に明記された大会やコンクールとする。 - 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。
また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、7日程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。 - 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む。)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
休業日の活動時間は、大会やコンクール等への出場、練習試合、合宿を行う場合や、中体連、中文連等が主催する大会、コンクール等の日の前日から起算して1か月以内の期間の場合を除く。
- 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末又は祝日に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)。
- 本道の地域特性から、積雪のため屋外での活動が制限される部活動(水泳部等)や、主に冬季に行われる部活動(スキー部、スケート部等)等についても、休養日及び活動時間は上記の基準を原則とするが、原則どおり運用することが困難と認められる場合は、次に示すように、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設けることを前提に、特例的な取扱も可能とする。
※原則どおり運用することが困難と認められる場合の特例- 休養日は、平日又は休業日を問わず、少なくとも週1日以上は設定した上で、1年を52週と考え、年間の累計で104日以上とすること。
- 活動時間は、長くとも平日では3時間程度、休業日(学期中の週末を含む。)は4時間程度とした上で、年間の平均活動時間で、平日が2時間程度、休業日(学期中の週末を含む。)が3時間程度となるように実施すること。
- 学習と部活動及び睡眠等のバランスを図るため、定期試験前概ね3日程度の部活動休養日等を設ける。なお、本来部活動の行われている時間帯を活用して「学習会」等を設定する場合においても、上記Aのcに定めた時間で行い、教員の指導の下に行う。
- 校長は、1(1)アに掲げる「学校の部活動に係る活動方針」の策定に当たっては、国のガイドラインの基準を踏まえるとともに、北海道が策定した「北海道の部活動の在り方に関する方針」及び本方針に則り、各部活動の休養日及び活動時間等を設定し、公表する。
策定した「学校の部活動に係る活動方針」、「相談・要望窓口の担当者」及び、1(1)ウに示す「年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)」を町に報告する。
また、校長は、各部活動の活動内容を把握し、適宜、指導・是正を行う等、その運用を徹底する。 - 町は、校長に1(1)アに示す「学校の部活動に係る活動方針」「相談・要望窓口の担当者」及び、1(1)ウに示す「年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)」を提出させ、適宜、支援及び指導・是正を行う。
4 生徒のニーズを踏まえたスポーツ・文化活動環境の整備
(1)部活動の設置、統廃合、合同チーム等の編成
- 校長は、生徒と部活動顧問の負担が過度にならないよう適正な数の部活動数を考慮した上で、既存の部活動の統廃合などと合わせて、競技力や技能の向上以外にも、適度な頻度で行ったり、スポーツ・文化活動に興味と関心をもつ同好の生徒が、学級内とは異なる人間関係を形成したりする等、生徒の多様なニーズに応じた活動を行うことができる部活動の設置について検討する。
なお、部活動の設置や統廃合に当たっては、校内でガイドラインを作成するなどして、 生徒や保護者の理解の下、長期的な見通しをもって行う。 - 少子化に伴い、単一の学校では特定の競技・文化活動を行うことができない場合、教育課程との関連を勘案して、複数校の生徒が拠点校の活動に参加する合同部活動の取組を検討することとし、町及び校長は、双方の移動に係る時間を含め、合同チームや合同練習による活動を行うことにより、生徒と部活動顧問の負担が過度とならないこと等を考慮した上で、実施の可否を判断する。
なお、合同練習などを行う際の移動時間については、生徒の活動時間には含めないこととするが、長時間の移動を伴う合同練習等の実施に当たっては、成長期にある生徒が、学習、運動、食事、休養及び睡眠のバランスのとれた生活を送ることができるよう配慮した実施回数とする。
(2)地域との連携等
- 町及び校長は、生徒のスポーツ・文化活動の環境の充実の観点から、学校や地域の実態に応じて、地域の関係団体との連携、保護者の理解と協力、民間事業者の活用等による、学校と地域が共に子供を育てるという視点に立った、学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ・文化活動の環境整備を進める。
- 町は、学校管理下ではない社会教育に位置付けられる活動については、各種保険への 加入や、学校の負担が増加しないこと等に留意しつつ、生徒がスポーツ・文化活動に親 しめる場所が確保できるよう、学校施設開放事業を推進する。
- 町及び校長は、学校と地域・保護者が共に子供の健全な成長のための教育、スポーツ・ 文化活動の環境の充実を支援するパートナーという考え方の下で、こうした取組を推進 することについて、保護者の理解と協力を促す。
5 学校単位で参加する大会等の見直し
- 町は、学校の部活動が週末等に開催される様々な大会、試合、コンクール等に参加することにより、生徒や部活動顧問の過度な負担とならないよう、大会等の統廃合等を主催者や競技団体等に要請する。
- 校長は、本方針の「3 適切な休養日等の設定」に示した休養日等が年間を通じて適切に実施されることを前提に、生徒の教育上の意義、生徒や部活動顧問の負担が過度とならないこと等を考慮して、学校の部活動が参加する大会、試合、コンクール等の回数に上限の目安等を定め、参加する大会等を精査する。
その際、参加すると定めた大会等については、1(1)ウに示す「年間の活動計画(活動日、休養日及び参加予定大会日程等)」に明示する。
6 部活動の充実に向けて
(1)部活動の充実に向けた取組
- 町は、部活動の教育的意義を踏まえ、効果的に部活動指導を行い、成果を上げている事例を把握し、部活動の適切な実施及び充実に資するよう周知・普及に努める。
(2)部活動顧問と生徒の信頼づくり
- 部活動は、生徒の自主的、自発的な参加により行われる活動であることを踏まえ、校長は、部活動顧問に対して、次のことを指導・徹底する。
- 指導の目的、技能等の向上や生徒の心身の成長のために適切な指導の内容や方法であること等を、生徒に明確に伝え、理解させた上で取り組ませるなど、部活動顧問と生徒の両者の信頼関係づくりが活動の前提となること。
- 部活動顧問と生徒の間に信頼関係があれば、指導に当たって体罰等を行っても許されるはずとの認識は誤りであり、指導に当たっては、生徒の人間性や人格の尊厳を損ねたり否定するような発言や行為は許されないこと。
(3)部活動内の生徒間の人間関係形成、リーダー育成等の集団づくり
- 校長は、部活動においては、複数の学年の生徒が参加すること、同一学年でも異なる学級の生徒が参加すること、生徒の参加する目的や技能等が様々であること等の特色をもち、学級担任としての学級経営とは異なる指導が求められることを踏まえ、部活動顧問に対して、次のことを指導・徹底する。
- 部活動顧問が、生徒のリーダー的な資質・能力の育成とともに、協調性、責任感の 涵養等の望ましい人間関係や人権感覚の育成、生徒への目配り等により、部活動内に おける暴力行為やいじめ等の発生の防止を含めた適切な集団づくりに留意すること。
(4)家庭との連携を図る取組
- 校長は、部活動参観として保護者に部活動を公開する場を設けるなどして、保護者の部活動への理解を深め、学校と家庭が連携しながら部活動指導に取り組めるよう環境づくりに努める。
7 その他
本方針は、学校の設置者や学校の取組状況などを踏まえ、必要に応じて、内容の見直しを行う。
八雲町立学校に係る部活動の方針 [PDFファイル/320KB] 平成31年4月