この絵は、江戸時代に道南のアイヌの《チセ》(住居)を観察し、描かれたものです。
熊は《キムンカムイ》と呼ばれ、山の神の意味で、アイヌと深い関わりをもつ《カムイ》(神)の一つです。
《カムイ》はふだんは《カムイ》の世界に人間と同じ姿で住んでいます。ときどき人間が住む世界に植物や人間の姿になってやってきます。
熊になった《カムイ》は、良い《アイヌ》(人間)に会うと狩られます。そして毛皮や肉、骨が《アイヌ》に与えられます。《アイヌ》はそれに感謝して、熊の《カムイ》が《カムイ》の世界に帰るときに、おくり物として《イナウ》(木を削って作った祭具)やお酒、団子やサケなどをお供えします。これを熊送りといいます。