8月2日に行われた『八雲を知ろう!八雲学』の第3回目は加藤孝光氏による「八雲の酪農」~人と牛と人の話~(1)でした。その中で、自分は酪農家の先輩である太田正治氏を大変尊敬しており、太田氏の自叙伝の題名でもある「無終の理想前にあり」と言う言葉を大切にしていると話されていました。この言葉は、都築省三氏の『村の創業』の中の「村の創業の歌」に出てくる言葉で、加藤氏は全文を朗読されて、八雲小学校100周年記念碑“無終の理想前にあり”は「小学生の皆が、無限の理想を求めて人生を歩んで欲しいと希いを込めて建てたもの」で、題字の選定にあたって太田氏と加藤氏がこの言葉を強く推した旨のことも話されていました。
『村の創業』は、明治期の旧尾張徳川の開拓の様子を描いた記録です。初版は大正6年に実業之日本社から出され、再版が昭和19年に財団法人満州移住協会から出されています。三版が昭和43年に再々版が昭和44年にそれぞれ徳川家開拓移住人和合会から出されています。
徳川義親侯は、序の中で「此村に生まれ此村に育った著者が自身の見聞したことを其儘書いたものであるから中々面白い、且正確である、然し実は面白いというより農村研究の盛んな今日村が創められ発育する有様を書いたものは甚だ珍しく又資料として貴重である。理屈はどうでも兎に角面白いから一度は読まれたらよろしかろう」と書かれています。
『村の創業』左から初版、再版、三版
投稿者:しんちゃん