本校の学習委員会では、月ごとに分担をしてオススメの本の紹介をしています。
今日は、学習委員担当、国語科として、私が最近読んで面白かった本を紹介したいと思います。
「サブマリン」 作:伊坂幸太郎(2016年3月 講談社)
2004年に刊行された「チルドレン」の続編にあたる短編(?)集。
この作品の中心人物は、型破りな家裁調査官の「陣内」。
独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むがなぜか憎めない「陣内」を中心に、様々な事件・人間関係が交錯していきます。
この作品(に限らず伊坂作品全般に言えることですが)の魅力は、なんといっても「伏線」です。
「え、この人がこの事件と関係していたの!?」「あの行動にはそんな意図が!?」という驚きが、読み進めるにつれてどんどん押し寄せてきます。
主人公である「陣内」のセリフにも、その要素は多分に含まれています。
一見すると荒唐無稽としか思えないことを次々に口走る「陣内」。
周囲の人間はその話を聞き流しますが、物語終盤でその話が現実のものになってしまうのです。
ただの偶然なのか?それとも確信なのか?この作品を読めばきっと、「陣内」の不思議な魅力にひきつけられることでしょう…。
登場人物間の会話の描写も非常に軽妙で、楽しく読み進めることができる作品になっています。
ぜひ、手に取って読んでみてみてください!
(N.S)