梅村庭園のツツジ便り

 桜の季節が終わりを告げる頃、ツツジが咲き始めます。庭園には、淀川ツツジやムラサキヤシオなどの綺麗な花が咲いています。

ヨドガワツツジの木 ヨドガワツツジの花

淀川ツツジ(ツツジ科)別名 牡丹ツツジ

淀川ツツジの花

 朝鮮半島が原産地で、朝鮮山ツツジの雄しべが弁化(雄しべなどが花弁状になること)して、八重咲きになったもので、「ツツジの女王」と呼ばれています。

ムラサキヤシオの木 ムラサキヤシオの花

ムラサキヤシオ(ツツジ科)別名 ミヤマツツジ

ムラサキヤシオの花

  漢字では紫八潮、紫八塩、紫八染などと書くそうです。何度も染色を繰り返したような、鮮やかな赤紫が美しいと言われています。

 春もみじ(カエデ科)

春もみじ 春もみじの葉

春もみじ

春もみじの葉

 新緑の時期なのに、ツツジと一緒に紅葉が見られました。通称「春もみじ」と呼ばれているもので、カエデ科の樹木で、光合成が本格化する前に葉緑素が充分でないため、緑色がまだ薄く、木が元々持っている色素(赤・黄)が見られる現象だそうです。この木の葉は、赤から段々とピンク色に変化していく様です。(管理人さんの話より)

投稿者:しんちゃん 

 

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梅村庭園の鴨雛

 梅村庭園で、5月13日にカモの卵が孵化し、6羽のヒナが生まれました。小雨降る中、母親の後について元気よく泳ぐ姿が見られましが、16日には何処に行ったのか姿が見えなくなりました。

元気よく泳ぐカモの親子

元気よく泳ぐカモの親子

 

岩の上でくつろぐ景

岩の上でくつろぐカモの親子

投稿者:しんちゃん

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故郷からの来訪者とでんぷん製造のお話

やふー!しげちゃんです。
今回は、私の故郷からの来館者についてご紹介します。

 と、思って、小牧のことを思い浮かべた方々、ごめんなさい。
今回は小牧市民ネットワークの皆さまのことではなく、先週訪れて下さった豊橋在住のご夫婦です。
豊橋は三河だから尾張じゃないだろってツッコミはさておきでお願いします。

 さてこのご夫婦、奥さんのご先祖様が八雲に住んでいたそうで、所縁の地を訪ねているとのこと。
なんとこの奥さん、以前は私の出身地の北名古屋市にも住んでいたこともあるとのことで、驚きました。
まさかこんなに早く北名古屋市に縁のある人と八雲で出会うとは…
 そんなご夫妻から、ご自宅にあったという『神谷澱粉製造工場』(屋号は「大」の下に「カ」を組み合わせたもの)の写真をいただきました。

(掲載している写真は、色を調節して見やすくしてあります)

 

神谷澱粉製造工場内

神谷澱粉製造工場内の写真

 八雲でのでんぷん製造の特筆点は、道内で初めて工場をオートメーション化したことにあります。
この川口式でんぷん製造器は、動力をすべて水車にし、生産量は約2倍に増やし、加工の所要経費は約3分の1に抑えることに成功しました。このシステムは特許を取得しなかったこともあって、道内にどんどん広がっていきました。そこで八雲は組合を作って、製品の検査を行うとともに品質の向上に努め、八雲片栗粉というブランド名で、雪・月・花の等級をつけて販売していました。
明治末には東京市場で全国1位の高値で取引されるほどでした。

 

神谷澱粉製造工場遠景

神谷澱粉製造工場遠景

 また、現在ではあまり作られなくなったジャガイモのでんぷんですが、第一次世界大戦の時期には大量に作られ、でんぷん成金と呼ばれる人たちもいるぐらいでした。とても売れた理由は、戦争が起こっていたため自国での生産ができないヨーロッパの国々が、日本のでんぷんを購入しまくったため、価格も高騰していました。
 しかし第一次世界大戦の終了とともにヨーロッパのでんぷんが市場に出回るようになると価格が暴落し、多くの工場は閉鎖に追い込まれていきます。
 その後、八雲は陸の基幹産業を酪農へと転換させることになります。

 今回いただいた資料の工場は、ペンケルペシペ(鉛川)のあたりにあった工場だそうで、資料館にはそれ関係の資料はほとんどないようです。
北海道の澱粉工場についてまとめた本(参考文献)に当時の工場経営者一覧が載っているのですが、そこには工場の名前はなく、工場の位置も大まかにしかわかっていません。
もしなにか心当たりのある方は、情報をお寄せ下さい。

よろしくどうぞー。

参考文献 北海道廳内務部(1917)『馬鈴薯澱粉ニ關スル調査』

 

(投稿者:しげちゃん)

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梅村庭園の桜

 梅村庭園の桜は、今が見頃です。雪解け後の枯葉・枯れ枝処理などもやっと終わり、庭園内はとても綺麗になりました。
 蝦夷山桜が開花し、連日多くの人が訪れています。桜以外にも連翹など色々な花が咲いていますので紹介します。

えぞやまざくら れんぎょう

 蝦夷山桜(えぞやまざくら)バラ科

 連翹(れんぎょう)モクセイ科

うすばさいしん ふいりみやますみれ

 薄葉細辛(うすばさいしん)ウマノスズクサ科

 斑入深山菫(ふいりみやますみれ)スミレ科

えんれいそう みやまかたばみ

 延齢草(えんれいそう)ユリ科

 深山傍食(みやまかたばみ)カタバミ科

 花の名前は、管理人さんに教わりました。

投稿者:しんちゃん

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八雲のジオパーク候補地巡り

やふー!しげちゃんです。
5月3日に開催された「自然観察会&ジオパーク現地観察会」に参加してきたので、ご紹介します。
 
 この観察会はNPO法人やくも元気村と若人の集いが主催し、1日かけてバスで町内の自然や地形、地質などが見られるポイントを移動し、講師の二人に解説していただくというツアーでした。講師は地元在住のカメラマン稗田一俊氏と、地元出身で理学博士の加藤孝幸氏のお二人で、この現地観察会の前の3月19日と4月23日に学習会を開いていただいた上での見学会でした。
  
石拾い 
下二股川での珪質頁岩観察
  
 ジオパークとは、“野外を教場として”地球科学について学べる公園的施設です。…すみません、ネタに走ってわかりにくいですね(わかった人はコメント欄へどーぞ)。簡単に言うと、地面から出ている地層が見えるポイントや、化石が拾える場所、野草が咲く場所や古くから生えてる木など、地質や自然について自然の中で学べる場所を守って、学習などに活用していく自然公園のことです。

 意外と歴史は新しく、世界ジオパークネットワークというのは2004年設立で、世界ジオパークに日本のジオパークが登録されたのは2008年からです。
ジオパークについて詳しく知りたい人は↓へ
日本ジオパークネットワーク http://www.geopark.jp/   

 

八雲層見学
八雲層の見学(ミルク色なのが八雲層)
 
 この自然の中で地球科学を学べるポイントが、八雲には多くあります。今回は自然観察会とジオパーク現地観察会の二本立てだったので、それぞれ印象的だったポイントをご紹介ー。
  
 自然観察会で興味深かったのは、ダムで砂利や泥を止めたその上流で、たまった砂利や泥の上に木が生えてた風景です。
  

中州かと思いきや

 
 川の中に島ができて(ダムで土砂を堰き止めるのだから当然といえば当然)、木まで生えてるというのは、言われるまで人工的な風景だと気がつかなかった点で衝撃的でした。単に川幅が広くて中州になってるだけだと思ってたんですよね。
  

 
 ジオパーク見学会でおもしろかったのは、立岩地区の八雲活断層の露頭(地層が地面に出てて見える場所)です。
 
活断層
 
 1億年ぐらい前の花崗岩の訓縫層と100万年ほど前に海底に積もってできた礫岩と砂岩の瀬棚層が、間に何も挟まずに接しているのが見えるという、ある意味すごい場所です。どうすごいかはしんちゃんが隣で機を見て解説するとおっしゃっているので、お任せしたいと思います。
 それはともかく、普通は見えない1億年前の地層が見えるってのはすごいですよ。隆起した場所なんで、崖になってますし。圧倒されます。ちなみに立岩公園ではこの花崗岩の訓縫層が見えるとゆーか登れる層ですので、一度ご登頂をば。晴れた日の風景はとてもいいそうです。
 
 今回のコースは、野田追川河口の地形→下二股川の珪質頁岩→野田追川奥のダムと下流の河床の下がった場所→野田追川左岸の訓縫層→桜野地区の地滑り地の八雲層露頭→サランベ2号ダムと下流の河床が下がった場所→立岩地区の八雲活断層と花崗岩と瀬棚層の不整合→鉛川とユーラップ川の合流地点での八雲層見学→鉛川のペンケルペシュペ川沿いの八雲層に見られるノジュール→富咲地区の水芭蕉とやちぶきの群生地→チーズ工房横の推定樹齢100年のブナの大木という、特盛りな内容でした。
 
 水芭蕉の花が咲いている
 水芭蕉が咲いてました
 
考古学をやっている人というと、地質について詳しいイメージをお持ちの方もいるみたいですが、実際にはそんなことはなく、人類登場以降の話しかあまり知りません。しかもあまり植物については詳しくなくて…なので、今回の観察会は非常に勉強になりましたし、これだけいろいろ観察できる場所があるならば、いくつかポイントを巡れるようなルートを作るとおもしろいなーと思いました。そのためにも勉強しないといけないですね…

よろしくどうぞー。

 
  
(投稿者:しげちゃん)

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