郷土資料館の展示物で、結構人気のあるものにバターチャーンがあります。同じようなものが、札幌市の雪印乳業史料館にもあるそうで「手回し縦型チャーン」と呼ばれています。北海道でバターを作り始めた頃に使われた道具です。
太田正治氏など、北海道の酪農を築いた人々を紹介している『酪農語録』という本の裏表紙にバターチャーンの写真が載っています。「北海道製酪販売組合の技師だった佐藤貢が初めてバターを作ったバターチャーン(雪印乳業所蔵)」と言う説明文が書かれていました。佐藤貢は、1925(大正14年)に、「北海道製酪販売組合」(雪印乳業の前身)の設立と同時に技師に招かれバター製造を始めたそうです。手回し縦型チャーンで1回に13.5キロのバターを作ったそうです。翌15年3月に組織を変更して「北海道製酪販売聯合会」(略称:酪聯)として、全道的組織に発展していくそうです。八雲町では、昭和7年に酪聯の八雲出張所が設けられ、バター製造が開始されたとのことです。ちなみに八雲では、明治40年にはバター製造が始められたそうです。
『酪農語録』に載っている雪印乳業のバターチャーン
郷土資料館にあるバターチャーン
投稿者:しんちゃん