北海道中から学芸員等が八雲に集まってました

やふー!しげちゃんです。
先週、北海道博物館協会学芸職員部会の研修会と総会とエクスカーションが9月18~19日に八雲町公民館で開催されました。
道内の遠くは北見市や根室市からもお集まりいただきました。

研修会は2本立てで、1つは石器づくり研修。
単に石の矢じりを作るだけでなく、それを矢柄(矢じりをつける棒のこと)につけて、実際に発射するところまでをワークショップとして提供している今金町ピリカ旧石器館の体験を学びました。

弓を射る

講師は今金町教委の宮本学芸員。
発掘の成果から得られたことや自然史的な特徴の解説を導入した、こだわりのワークショップです。
詳しくは↓の記事をどうぞ

道南ブロック博物館施設等連絡協議会ブログのコラムリレー「縄文人の森へのまなざし」

もう1つのテーマは、ディジタル記録の方法とその利用方法ということで、市立函館博物館の奥野学芸員、小林学芸員をコーディネーターとして、公立はこだて未来大学の川嶋教授と木村教授からの事例紹介と、研修に参加した学芸員が実践している事例or今後考えている事例紹介を行い、ディジタルデータをどう扱っていくのか学びました。

ディジタル研修

総会では昨年度の事業・決算と、今年度の事業が承認されました。
また、出席していた文化庁の内田調査官から、平成32年開館となる国立のアイヌ文化博物館(仮)について概要の説明がありました。
これは東北以北にできる初の国立博物館となります。
八雲町郷土資料館もアイヌの資料を持っており、常設展で公開しています。

翌日、エクスカーション(=現地見学会)で、徳川さんの銅像から始まる木彫り熊をテーマにしたまちあるきをしました。
いろんな専門の学芸員が集まっていたため、八雲神社の入り口で桑の同定が始まったり、建物について考察があったりと、案内している私がすごく勉強になった見学会となりました。

いろいろ不手際もあってご迷惑おかけしましたが、無事開催できてホッとしています。
関係各所の皆様方、ありがとうございました。
…にしても、この写真の少なさが、私のテンパり具合を示してますね。エクスカーションは一枚もないし(苦笑)
よろしくどうぞー!

(投稿者:しげちゃん)

カテゴリー: 郷土資料館 | コメントする

徳川美術館展の会期が終了しました!

 7月5日(土)~8月24日(日)まで開催されていた「徳川美術館展 尾張徳川家の至宝」の会期が終了し、開催期間中の入館者数が10万人を超えたとのことです。

 八雲町からも多くの町民が観覧していただき、主催者の徳川美術館、北海道立近代美術館、北海道新聞社、テレビ北海道の関係者からは、感謝の言葉を頂いております。

 また、北海道観光大使であり八雲町観光大使でもある伊吹吾郎氏が、徳川美術館展の開会式に出席され、さらにテレビや新聞等でもPRを行って頂いたことも大変効果的であったとの事です。

 八雲町などが主催して同時開催した特別展「尾張徳川家と北海道八雲町の深いかかわり」に関しては、アンケートに「熊が可愛かった」「今まで八雲町が尾張徳川家と関わりがあったとは知らなかった」などの意見が寄せられたとのことです。

 郷土資料館には、近代美術館で熊の資料を見たので、八雲町にも見に来ましたという札幌からの見学者が何人かいて、「徳川美術館展効果」があったと感じています。

 近代美術館で展示されていた木彫り熊資料は、8月25日の月曜日に近代美術館の学芸員により1点ずつ確認作業を行った後に、美術品梱包の専門業者により丁寧に梱包され、9月3日の水曜日に里帰りする予定です。今後はじっくりと「八雲町木彫り熊資料館」で木彫り熊を鑑賞することができます。

美術品梱包の専門業者による梱包作業

投稿者:しんちゃん

 

カテゴリー: 郷土資料館 | コメントする

徳川美術館展も最終週!

やふー!しげちゃんです。
札幌市にある北海道立近代美術館で開催されている「徳川美術館展~尾張徳川家の至宝」と「尾張徳川家と北海道八雲町の深いかかわり」はご覧いただいていますでしょうか。

今週が最終週ですよ!

今回のエントリは、展示したときの舞台裏をご紹介します。

 

「尾張徳川家と北海道八雲町の深いかかわり」のために、出展資料を八雲町郷土資料館から日通さんが運んだ話は以前ご紹介しました。
展示の日、近代美術館で荷解きをして、破損がないかをチェックして、実際に並べてみて、出来るだけ見やすい展示になるよう予定から少し配置を変えて展示しました。

作業風景

キャプション(説明板)とかつけてもらっています。

また、そのまま展示すると不安定な作品には、透明な糸をかけて固定してもらいました。

ケースはめ

すべての展示品を並べ終えて、キャプションなどもつけ終えて、ケースをはめてもらいます。

ケースをはめたら固定して、汚れなどをふき取ります。

そして、最後に照明を調整します。

照明調整

ケースの反射をどうするのか、作品にきちんと光があたっているかチェックしながら微調整。

こんな流れで、「尾張徳川家と北海道八雲町の深いかかわり」ブースは作られました。
八雲で作られた北海道第一号の木彫り熊や、その参考となったスイスの木彫り熊など、札幌で見られるのはあとわずかな期間です。
ぜひご覧ください。

 

なお、八雲町木彫り熊資料館で再展示されるのは、9月上旬です。
それまでは出展作品は写真展示になっておりますので、ご了承ください。
また、資料館はただいま外壁塗装中ですが、中はご覧いただけますので、お気軽にお入りください。

外壁塗装
お色直し中な八雲町木彫り熊資料館

よろしくどうぞー。

(投稿者:しげちゃん)

カテゴリー: 郷土資料館 | コメントする

徳川さんの銅像がナニコレ珍百景に!

やふー!しげちゃんです。
先週放映されたナニコレ珍百景はご覧いただけましたでしょーか。

徳川さん
徳川さんの銅像

【珍百景No.1960】「偉人の銅像の名前なのになぜ?」 (珍百景コレクションをご覧ください)

ということで、『徳川さん』の銅像が珍百景に選ばれました。

銅像の徳川さんとは、徳川義親さんのことで、尾張徳川家第19代当主です。北海道八雲町に様々な財産をもたらしていただきました。

ざーっとあげていくと

・八雲にペザントアート(農村美術)という概念を紹介し、「八雲の土産品」から「北海道の土産品」にまで成長する木彫り熊をもたらした。
・「酪農は八雲に学べ」といわれた酪農先進地八雲。この発展を、徳川農場を通じて強力に推進した。
・木曽山の研究を踏まえ、徳川農場において山林経営を行った。
・農民の生活改善のために、レンガ造りの家や暖炉の家、ストーブなど導入した。
・公民館のところにあった高等国民学校の校長を勤めた。
・旧制八雲中学校建設の際、建築費の大半を寄付した。
などなど。

名誉町民第1号に選ばれた際、町民有志が集まって建てたのがこの銅像で、制作者は昭和から平成に活躍した柳原義達さんという彫刻家です。

除幕式
除幕式の写真。前列右から3番目が義親さん、その隣の4番目が柳原さん
(最初、前列右から二番目の人物を誤って紹介しておりました。正しくは田仲町長(当時)です。訂正し、お詫び申し上げます。)

除幕式は、義親さんにもご出席いただきまして、盛大に開催されました。

なお、今回紹介されていたスイスの木彫り熊やそれを参考に八雲の酪農家・伊藤政雄さんが作った北海道第1号の木彫り熊、そのほか大正末から第二次世界大戦前に制作された木彫り熊は、現在札幌市にある道立近代美術館で開催中の、「徳川美術館展~尾張徳川家の至宝」と同時開催されています「木彫り熊のルーツはここにあった!~尾張徳川家と北海道八雲町の深いかかわり」で展示中です。
そちらもぜひどうぞ。
最近、近美で見たので木彫り熊資料館来ましたって方が多くてうれしい限りです。

後ろから
除幕式の様子。300人以上集まったそうです。

ちなみに、徳川美術館を作ったのも義親さんなら、尾張徳川家のお宝を財団法人を作って一括寄贈したのも義親さん、巻物状態だった源氏物語を切断して保存することを決めたのも義親さんですし、小牧山を小牧町(現、小牧市)に寄贈したのも、徳川園を名古屋市に寄贈したのも義親さんです。海外では、第二次戦争中にシンガポールのラッフルズ博物館植物園を戦火から守るだけでなく、資料整理を行って返還するなど、とても広い視野を持ち、自分の信念に沿って行動された方でした。

せっかくなので参考文献をご紹介しておきましょう。

・『友情は戦火をこえて-博物館を戦争からまもった科学者たち-』石井美樹子著
子供向けに簡単に書かれた本。戦争からラッフルズ博物館植物園をどうやって守ったのか。

・『思い出の昭南博物館 占領下シンガポールと徳川侯』E.J.H.コーナー著、石井美樹子訳
上の本の新書版で大人向け。

・『最後の殿様-徳川義親自伝』徳川義親著
義親さんによる自伝。読みやすく、義親さんのお人柄が出ています。

・『伝統工芸の創生-北海道八雲町の「熊彫」と徳川義親』大石勇著
木彫り熊が誕生した経緯と、その発展について書かれた論文をまとめて単行本にしています。

・『殿さまのひとりごと』徳川義宣著
義親さんの言葉が引用されていたり、八雲に対する義宣さんの思いが書かれています。

・『三訂八雲町史』八雲町
いろんなところに義親さんや徳川農場の話が出てくるので、まとめ直してみるだけでもかなり勉強になりますよ。
…校正、大変だったなぁ(遠い目

以上の本は、八雲町立図書館にて読むことができます。
また、8月の本の特集コーナーでは尾張徳川家と愛知県関係の本が並んでますよ。

そんなわけで、夏休みの自由研究に、義親さんを研究してみてはいかがでしょーか。
よろしくどうぞー。

(投稿者:しげちゃん)

カテゴリー: 八雲の歴史 | コメントする

ナニコレ珍百景で○○が取り上げられます!?

やふー!しげちゃんです。
現在、北海道立近代美術館で絶賛開催中の『徳川美術館展』へのバスツアー、無事終了しました。

近美

7月31日、8月2日、3日の3日間で合計177名の参加者をお連れしました。
札幌市内をラッピングバスで走り抜けましたとも。

バス

参加した皆様からは好評をいただきまして、担当者二人ともホッとしております。
なんせこのような弾丸バスツアーは初の試みで、受付の方法から見学方法まで手探り状態で進めまして、なんとか無事に終了することができたのは皆様のおかげと思っております。
ご参加いただきまして、ありがとうございました。

 

さて表題の件。

テレビ朝日の『ナニコレ珍百景』に、八雲町の某所が取り上げられることになりました。

放送は8月6日水曜日19時だそうですので、ご覧いただければと思います。

なお、私はこの時間に八雲学で木彫り熊についてお話しすることとなりましたので、リアルタイムで見れず残念。
人前で話すのはあまり得意ではないですが、バスガイドやった経験も生かして(?)がんばります。

よろしくどうぞー!

(投稿者:しげちゃん)

カテゴリー: お知らせ | コメントする