伊藤政雄さんの賞状

 大正13年に徳川農場が主催した「第1回八雲農村美術工芸品評会」に、大新地区で酪農業を営んでいた伊藤政雄さんが出品した木彫り熊が、「北海道第1号の木彫り熊」とされています。徳川義親侯がスイスで購入した木彫り熊を参考にして作られた毛彫りの熊です。徳川義親侯は、伊藤さんの木彫り熊を見て「八雲でも熊の彫刻はできる」と考えて、伊藤さんと十倉金之さんを講師にして、徳川農場で講習会を開催することになりました。
 その後、昭和2年9月に秋田県主催の「北海道奥羽六県連合副業共進会」に伊藤さんが出品した「彫刻熊」が一等賞となり、八雲の人々は木彫り熊制作に大いに自信を持つようになったそうです。
 この度、伊藤さんの親族より、郷土資料館にその時の賞状が寄贈されました。とても古い賞状ですが保存状態がよく、当時の装飾の色が鮮やかに残っていました。八雲の木彫り熊の歴史を語るうえで、とても貴重な資料と考えられます。

講習会風景

徳川農場での農民美術講習会
中央に立っているのが伊藤政雄さんで、右側に立っているのが十倉金之さん

賞状

賞状

投稿者:しんちゃん


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