森田たまの交友録

 現在、北海道立文学館にて「森田たまの交友録ー書簡にみる文学者たちの筆跡」展(H23.11.19~H24.1.15)が開催されています。森田たまと交友のあった川端康成、草野心平、棟方志功、中谷宇吉郎などがたまに宛てた書簡、たまの筆によるスケッチ、愛用品や著書などが展示されています。
 森田たまは明治27年に札幌に生まれ、後に『もめん随筆』や『きもの随筆』など多くの著書を著し、現代の清少納言と称された女流文学者です。大正7年5月から翌年の1月まで八雲に滞在していました。随筆家として本格的に活躍する以前の時期で、その間に書かれた著作はありませんが、後に発表された『婦女読本』(昭和18年)、『待つ』(昭和34年)、『随筆 をんなの旅』(昭和42年)などの中に、八雲滞在時のことが書かれています。
 八雲に滞在した理由については、書かれた文章によって多少の違いがありますが、大正3年に自殺未遂をして、その事が小説に書かれたり噂になったりしたので、父親が北見のハッカ畑と八雲のじゃがいも畑を交換して、八雲駅近くにあった連絡所に留守番がいない事もあり、人目を避けて滞在することになったらしいです。
 『待つ』の中の「三匹の馬」という八雲滞在時の事が書かれた文章がパネルとして展示されており、噴火湾は魚貝類が豊富で、毛がに、生うに、ホッキ貝、帆立貝、小烏賊がたくさん捕れ、鯖は煮ても焼いても〆鯖にして毎日食べても飽きないほど美味しいと書かれていました。

「森田たまの交友録」展パンフレット

森田たまの交友録展のパンフレット

 

投稿者:しんちゃん


カテゴリー: 八雲の歴史 パーマリンク

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