「木彫り熊」物語

 北海道立近代美術館で開催されている「AINU ART 風のかたりべ」展(2013.2.2~3.24)を見に行きました。説明文では、「アイヌ文化が時代とともにどの様な表現世界を拓き、どの様な精神文化を伝えてきたかを展望する」展示だそうです。19世紀~20世紀におけるアイヌ工芸品から現代アート作品にかけて展示されていました。
 第1部ー2が、「木彫り熊コレクション」のコーナーで、旭川の木彫り熊の祖である松井梅太郎に焦点を当てた展示になっていました。北海道の木彫り熊の源流は八雲と旭川にあり、旭川の木彫り熊の源流はアイヌ文化に求めることが出来るという内容でした。アイヌ文化の祭礼用具、サパンペ(冠)やイクパスイ(ひげべら)に施された熊の頭部が、旭川の初期の木彫り熊頭部に酷似しており、「ヒグマそのものがカムイ(神)という特別な存在であるからこそ、熊の姿に魂をこめて」木彫り熊制作が行われたのではないかと解説されていました。
 戦後、北海道観光ブームが過ぎて、手仕事としての木彫り熊は衰退し、木彫り熊で研鑽を積んだ若き作家たちは、近代のアイヌ工芸を現代アートにつなげる役割を果たしているそうです。

 

解説文

解説文

投稿者:しんちゃん

 


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