赤彩注口土器は、平成12・13年度に行われた、北海道縦貫自動車道路建設工事に伴う発掘調査によって、八雲町野田生1遺跡から出土しました。(財)北海道埋蔵文化財センターによる調査で、縄文時代後期の住居跡から、一緒に出土した深鉢土器とともに、平成19年度に北海道有形文化財に指定されました。
土器は、ほぼ完形なダルマ形で、底部は丸くなっています。当初は、注ぎ口と突起が欠落していましたが、近くから発見され、結合部分にアスファルトが付着していることから、補修がされたものと考えられています。
土器の表面には、底部を除いてほぼ全面に彩色が施されています。赤色は水銀朱で、器面全体を丁寧に磨いた後に黒漆を塗ってから、水銀朱が塗られたとのことです。
器形や文様から、東北地方から搬入された新地式土器と考えられ、一緒に出土した深鉢形土器に付着した炭化物の年代は、3630±40y.BPとなっています。
赤彩注口土器
リーフレット表 |
リーフレット裏 |
今度、滋賀県のMIHO MUSEUMの秋季特別展「土偶・コスモス」(9.1~12.9)で、展示されることになっております。担当者によると、土偶や土器を考古学資料としてではなく、美術品という観点から展示するそうです。
投稿者:しんちゃん