八雲町内には、江戸時代前期の僧円空(1632~95)によって作られた仏像が4体あります。円空仏と呼ばれているもので、熊石地区に3体と八雲地区に1体とあります。熊石地区の円空仏の種類は、根崎神社の「根崎神社円空彫像」が聖観音立像、北山神社の「北山神社円空彫像」が観音菩薩座像、相沼八幡神社の「円空来迎観音座像」が来迎観音座像と言われています。
民俗学者の五来重によると、円空の来迎観音は「漁民の海難供養のためにつくられたとおもわれ、供養にこれを海に流したらしいが、これをひろった漁民は、豊漁の守り神として神社にまつっている」と書いています。
八雲地区の諏訪神社の円空仏は、秘仏で実際に見ることが出来ませんが、松浦武四郎の『東蝦夷日誌』には、「円空鉈作り座像の薬師如来を安置す」と記されており、『丁巳東西蝦夷山川地理取調日誌』には、円空仏のスケッチが描かれております。また、堺比呂志は著書の中で、砂原の洞窟で作造された公算が大きいことから、来迎観音座像ではないかと推察しています。熊石地区の円空仏所在場所には、近いうちに看板を設置する予定になっております。
諏訪神社の円空仏スケッチ
(山越内諏方社神躰 惣丈凡二尺計)
円空仏の看板
投稿者:しんちゃん