先日、道立函館美術館の「きらりハコダテ お宝漫遊」展で、道内初の国宝に指定された函館市著保内野遺跡出土の「中空土偶」の実物を初めて見ました。展示室奥の壁一面が展示ケースとなっている中央にそれは鎮座し、光りを抑えた照明と温度・湿度管理がなされた展示ケースの中で、近寄りがたい威光を放っていました。
国内の縄文時代の遺跡からは、数多くの土偶が発見されていますが、その中で国宝に指定されているのは、八戸市風張1遺跡出土の「合掌土偶」と茅野市棚畑遺跡出土の「縄文ビーナス」を含め3点しかありません。
ちなみに、八雲町でも土偶は数点発見されており、特に熊石地区の鮎川洞窟出土の「メノウ入り土偶」はとても貴重なものと考えられます。国の重要文化財「コタン温泉遺跡出土品」の中には土偶はありませんが、岩偶と言って石を人の形に加工したとされるものが1点出土しています。
コタン温泉遺跡出土の岩偶
投稿者:しんちゃん