先日、弘前大学で考古学を専攻されている準教授の方が、青龍刀形石器の機能と用途の調査研究のために来館されました。石器を観察し、メモを取ったり、写真を写したりと熱心に作業をされていたので、「どうですか」と問いかけると、「素晴らしい作りですね、感激しました」という答えが返ってきました。石器を見て感激するとは、さすが考古学を専攻されている方だと、一人納得しました。
青龍刀形石器とは、江戸時代に木内石亭が『雲根志』の中で、中国の青龍刀に類似すると紹介したことにより命名されたもので、縄文時代中期から後期初頭の北海道南部から東北地方北部の遺跡から発見される石器です。用途は不明ですが、祭礼用具ではないかという説があります。木内石亭は、平賀源内とも交流のあった奇石収集家で、考古学の先駆者とも言われた人物で、『雲根志』という書物は、鉱物や化石などを分類し解説を加えた本だそうです。青龍刀とは、中国の太刀の一種で、刃部に青龍が描かれていることによって命名されたそうです。
展示室にある青龍刀形石器
投稿者:しんちゃん