ども。
色々な案件の締め切りに追われている担当ちゅんです。
そんな中で、教育委員会から「〇〇小学校の暖房が壊れたので見てもらえませんか?」と連絡がありました。暖房・・・。いくら「何でも屋」の我々でも、さすがに暖房は管轄外です。「どうして我々に頼んでいるんですか?」と尋ねると「制御用の装置がWindowsXPみたいなんですよ」と。マジっすか!?こんな世の中になってしまっては何でも情報部門が担当になってしまいます。
「見るだけですよ?」と条件を提示しつつ、現場に向かいました。暖房の集中管理を行うための制御盤にはタッチパネル式の操作端末が埋め込まれていて、確かにWindowsXPが動いていました。ただし、通常のXPではなく「Embedded」です。エンベデッドは組み込み機器向けのOSで、表向き見えないだけで様々な機械に使われています。サポート切れのOSとはいえ、コンシューマ向けのOSではありませんので、XPだからといって一概にダメとは言えないものだと認識しています。
今回、症状としては「暖房のオン・オフなどをしていると端末がフリーズしてしまう」というもの。早速、操作端末の裏側を見てみるとUSBポートが2つありましたので、マウスとキーボードを接続。直接操作ができるようになったところで、まずはイベントビューアを開いて、何らかの手掛かりがないか探ります。それにしてもXP、懐かしいです。
ログを見ていくと、Fastfatが頻繁に警告を出していて、内容が「遅延書き込みデータの紛失」とあります。不思議に思って調べてみると、どうやらその機械は暖房制御用に使うiniファイルなどをSDカードに保存しており、何か操作をするたびに参照・書き込みを行っているということがわかりました。
本体を見てみると、確かにSDカードのスロットがあり、そこにカードが刺さっていました。
ここからは私の推測ですが、今回の障害、もしかしたらSDカードの寿命ではないでしょうかね。現地で話を聞くと、少なくとも10年くらいは全くメンテもなく使っていたということで、カードがかなり劣化しているのではないかと。壊れ方としても「Readは問題ないけどWriteが遅い」みたいな状況は十分に考えられます。
ということで、ひとまず既存のカードからデータ一式を別なSDカードにコピーして、そのカードと交換してみて様子を見ることにしました。交換直後は特にエラーもなく動作しているようです。
それにしても、こういう機械に対して、なぜSDカードを組み込もうと思ったのか。技術者ならばまずはSDに寿命がくることは想定できるはずですし、なんならOSを起動しているディスク内にあった方がよほど安心ではないでしょうか。事情があるのかもしれませんが、どうにも釈然としないものを感じながら帰路につきました。
見るだけといいながら機械を前にすると黙っていられない性格です
(投稿者:ちゅん)