ども。
この時期にここまで事務仕事に追われているのは初めてかもしれない担当ちゅんです。
前回長くなりすぎて次回に続くとしていた暖房器具の話題。本日は完結編です。
前半の話を要約すると「学校の暖房トラブルでICT機器支援を求められ、Windowsベースの暖房制御を調査。夜間エラーで蓄熱不可能で昼間にも供給停止。通常は業者に頼むが、IP監視で原因絞り込みを試みる。」とまあ、こんな感じ。ちなみに、これはChatGPT3.5に「3行くらいでまとめてくれ」と依頼した結果です。まあまあですね。
さて、本題です。その後、数日間「原因不明のエラー」は発生せず、もしかしたら本当に誰かが制御端末の電源をシャットダウンしていたのかもしれないと思ったのですが、それは甘かったです。やはり再び同じ現象が起き、しかも前回(夜間にエラーとなっていた)とは異なり「今現在もエラーが継続中」との連絡を受けたので、急ぎ学校に向かいました。
前回の調査で仕込んでいたPING監視を確認してみると、制御端末から暖房器具までのネットワーク通信がすべてNGとなっていることが確認できました。機器が動作していないという意味では残念なのですが、原因を探っていたこちらとすればガッツポーズをしたくなるような状況です。原因がシステム側ではなくネットワーク側にあるとすれば、原因はシンプルに「通信経路上にあるスイッチ」の不良か「制御端末のイーサネット」の不具合のどちらかに絞り込まれるからです。
すぐにPCとLANケーブルを手に通信経路上の機器の確認。怪しいと思ったHUBにLANケーブルを接続してPINGを打っていきますが、なかなか問題の個所にHITしません。暖房機器側から最上位にあるルータまでPINGが通るのに、なぜか制御端末までは通らないという現象を前に「さあどうしようか」と思ったとき、相棒のてんちょが「そういえば制御端末の足元になんか白いHUBみたいなのありましたよね」と。「ん??HUBなんてあった?」といった具合で、確認してみると確かにありました。そして、その機械を見た瞬間「これだ・・・」と。
原因は制御端末のLANケーブルが接続されていた5ポートのHUB。メーカーや型番は書きませんが、普通に家電量販店で売っているコンシューマ向け製品。偏見でもなんでもなく、これは壊れるやつ(経験則)です。かつて、我が社でも庁内LANの島HUBとしても多用していた時期があったのですが、本当に1年に数台は故障するレベルで、年度初めにはストックとしてHUBを数台調達するというのが業務フローでした。確かに、性能的には高価なHUBも安価なHUBも大差はありません。でも、ならばどうして価格に差があるのかっていうところを考えていかないといけません。学校にとって暖房器具って、最上位に位置するくらいの重要機器ですから。すぐに保守用の「ちょっといいHUB」に取り換え、機器の不具合はすべて解消、大勝利で学校を後にしたのでした。
教訓:どこにどんなHUBを使うべきかはしっかり考えましょう
(投稿者:ちゅん)
経験則は大事ですね。
教えるのが難しいことは多いので、仕事で少しでも試行錯誤して考えてもらいたいなと考え悩んでいたのですが、大きくない町役場でそれをやるのは難しいだろうかと(2年半以上)思っていたところでした。
この記事で貴社(貴町)に元気いただけた感じがしています。素晴らしい環境だと思います。
コメントありがとうございます。
経験則は、いざその場で経験してみないと養われないという意味でとても貴重なものですよね。
今回はまだ経験の少ない相棒と一緒に対応をしましたが、彼の口からも「こういう経験を1度でもしていれば、あの場所に使うべきHUBじゃないことは理解できる」と。何よりの財産になると思いました。
> この記事で貴社(貴町)に元気いただけた感じがしています。素晴らしい環境だと思います。
このようなお言葉も頂戴し、とても嬉しく思いますし励みに感じます。ありがとうございます!
お疲れ様です。元ブ社のNと申します。
実際、コンシューマ向け品と法人向け品では、使用部品やクリアすべき耐環境性能などに違いがあるものです。
だからと言ってコンシューマ向けなら故障していいという話ではないですが、私自身かサポートにかわった製品でも、正直よく故障するコンシューマ向けHUB製品があり、各方面にご迷惑をおかけしました^^;)
一般にネットワーク機器の製品保証期間、コンシューマ向けは1年であるのに対し、法人向けは数年あるので、メーカもその覚悟をもって出荷している、とご理解いただければ。
ところでイラスト可愛い図柄ですね。ハブ対マングース?
私が現在住んでいる奄美では、その昔ハブをやっつけてくれることを期待してマングースが放たれたのですが、ふたを開けてみると、マングースはさっぱりハブを取らず、アマミノクロウサギなどを襲ってしまうので近年掃討されました。
コメントありがとうございます。そして、なぜか「ドキッ」としました(笑
> 一般にネットワーク機器の製品保証期間、コンシューマ向けは1年であるのに対し、法人向けは数年あるので、メーカもその覚悟をもって出荷している、とご理解いただければ。
ここなんですよね。記事内では「カタログ上のスペックが同じでも価格に差があるのはどうしてか」という切り口でそのことを取り上げましたが、そもそもメーカー保証が1年の時点で、ユーザーも「覚悟して使う」必要がありますよね。
今回の記事ではあくまで「安価なHUBを使っていい場所と悪い場所があるよ」という話題なので、あたかも「安価なHUBは悪」のような書き方をしてしまいましたが、私自身は「むやみやたらと高いHUBを使えばいいってもんじゃない」という考えの持ち主でして。最後にも書いてありますが、つまりは「どこにどんなHUBを使うか」ということが大切なんだということですよね。
引き続き、ご指導いただけますと幸いです!
ご返信ありがとうございます。
コンシューマ向けと法人向けでは、主に「耐環境性能」(特に動作温度範囲)と「製品保証期間」に違いがあります。動作温度範囲の上限は、法人向けでは50℃としているものが多いと思います。コンシューマ向けでは35℃~40℃。使用部品のうち電解コンデンサなどは使用温度が10℃上がると寿命が半分になる「10℃ 2倍則」という定説があります。
> 「どこにどんなHUBを使うか」ということが大切
おっしゃる通りです。
応急処置や一時的な使用であれば、コンシューマ向け製品でも何の問題もありませんが、年単位での敷設が前提の場合には、ぜひとも法人向け製品の使用をお願いしたいところです。
インターネット回線があらかじめついている大型マンションでの各戸配線用に製品保証が1年のコンシューマ向けHUBが使われる例が実は多くあります。
下駄箱の中や浴室の点検口付近の天井裏に置かれることが多いですが、パイプスペースなどに押し込まれていることもあります。
そもそも製造不良品の問題であれば、メーカは言い逃れもできませんが、一年を過ぎてぼちぼち故障していくものは、保証もしかねることになります。
また、故障個体の状態には、明らかに電解コンデンサが膨らんで防爆弁が開いているものがあり、設置場所の温度環境が製品にとって過酷だったと考えられる例も多くありました。
>引き続き、ご指導いただけますと幸いです!
「指導」などとはおこがましい限りです。
現役時代は、実際に現場ではどういうことでお困りになっているか?などの情報収集としても、八雲町様のこのブログは前任の方の時から拝見させていただいておりました。
退職した現在も、(失礼ながら)楽しく拝見しております。
これまでの経験から法則化したことなどは以下のサイトにまとめております。
お役に立てれば幸いです。
https://networkmeister.net/
(不適切であればURLはお手数ですが、削除などお願い申し上げます。