LANケーブルの性能試験

ども。
趣味の自転車で真っ赤に日焼けして「焼けたね」と声をかけられる担当ちゅんです。

本日はGIGAスクールネットワーク工事の定例会議でした。当町は工事を2つの工区に分けて発注しているため、それぞれの工区を担当する現場代理人さんが参加。この工事では、一般的な建築工事のように施工管理をしてくれる業者さんがおりませんので、定例会議では進捗状況の確認、質疑への対応などなど、教育委員会の担当と私の2人ですべて切り盛りしております。

そんな中で話題となったのが「LANケーブルの性能試験」です。通常、現場でLANケーブルを成端する場合はケーブルテスターにより疎通確認が行われます。これは、LANケーブルが途中で断線していないか、またRJ-45コネクタが正しく取り付けられているかをチェックするもの。これをクリアしなければ、そもそも通信ができませんので基本中の基本といえます。
しかし、今回の事業で施工するケーブル規格は「Cat6A」としており、国の標準仕様書でも「敷設したケーブルにおいて、試験を実施し全て合格であること」とされているなど、若干いつもの勝手とは違います。

性能試験とは具体的にどのような試験なのかというと、これはネットワーク製品メーカー大手「PANDUIT」さんのウェブサイトに詳しく書かれています。

Q15.要求仕様書にテスト内容を記載しようと思いますが、何を求めるべきでしょうか?
10Gbpsの通信を担保する場合、テスト作業は非常に重要です。単なる導通チェッカーによるテストでは性能測定がなされませんので、フルークネットワークス社等が提供する「ネットワークアナライザー」を使用して試験するよう、求めてください。
PANDUIT:GIGAスクール構想向け Cat6Aパーフェクトガイドより引用
https://www.panduit.co.jp/solution/gigaschool/

まさにこの通りです。一般的なLANケーブルであるCat5eではなく、わざわざCat6Aを指定している以上、きちんと速度が出ることを証明してもらう必要があるということです。
しかし、上記引用にもあるとおり、この試験を行うためには専用の機械が必要で、しかも万人が持っているようなものではない、と。さらに言えばものすごく高価な機械で、常時このような仕事をされている業者さんであれば良いのですが、今回の工事の目的にだけ用意するような代物ではないというのが本日の話題でした。

2020.09.14追記
コメント欄にてケーブルテスターのご紹介がありました。
本記事中に「フルークネットワークス」と企業名を記載している点については、あくまで記事引用先の原文をそのまま引用したものであり、特定の企業の製品のみをご紹介する趣旨のものではございませんのでご了承ください。
なお、コメントいただいた製品につきましては、参考までにリンクにてご紹介いたします。
LANケーブル用測定器:原田産業 通信・鉄道インフラ向けサイト

結局のところ、試験は専門の業者さんにお願いすることで対応していただけるとのことで安心しましたが、標準仕様書にもあるとはいえ、発注者としては「ご苦労をおかけします」という恐縮な気持ちになったのは正直なところです。
今後はますます「通信帯域」などを意識したネットワーク構築が必要となってきますし、今回の案件以外でも「Cat7」といった高規格なケーブルを整備する場面は多そうです。そうなると必然的に性能試験という話にもなり、当然、我々のような素人がケーブルを作ってこの性能をクリアできるとも思えません。なかなか難しい時代になってきたなと感じています。

テスターこれだけでは完結しない仕事がこれからは増えそうです

(投稿者:ちゅん)


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コメント

  1. 乾 充一 のコメント:

    こんばんは、測定器を取り扱う原田産業株式会社の乾と申します。私共でも、測定器を取り扱っております。もし、宜しければ、ご参照ください。宜しくお願いします

    • ちゅん のコメント:

      コメントありがとうございます。
      本文中にもその旨記載いたします。
      よろしくお願いいたします。

  2. 大島隆 のコメント:

    茨城の電気工事会社の営業です。当社もGスクール構想の案件を受注しています。
    回線の試験はフルークネットワークスのDSX2-5000か8000でないとCAT6Aの品質を確認できないとのことが試験機メーカーの言い分です。定価208万円

    無線の品質では電波強度のヒートマップ的(エカハウ 仕切り140万円)なもの提出が求められています。

    これからのギガ品質には、試験器の価格れべるが段違いです。試験器レンタルなら月
    15万とか30万とかです、発注者は理解して案件を発注してほしい。

    • ちゅん のコメント:

      コメントありがとうございます。
      試験の関係でご苦労をされているとのことで、心中お察しいたします。

      このたびのGIGAスクール案件もそうですが、今後はこのように試験結果まで求められる案件というものは増えるだろうと予想しております。
      参考までに、当町の工事を受注された業者さんは、自前で試験をするのではなく試験を専門に行っている業者さんに外注する方法で対応するとのことでした。

      > 発注者は理解して案件を発注してほしい。

      最後におっしゃられたこの部分ですが、私も同意見です。コメントでも触れられているように、試験には相応の費用がかかるということはきちんと理解したうえで発注することが絶対に必要だと思います。
      きちんと理解していれば、そうした費用も(機器を購入するかレンタルするか、はたまた外注するかはともかくとして)かかる経費として計上してもらう必要がありますし、最終的には業者さんが自腹を切るのではなく発注者側が支払うべき費用となってしかるべきものというのが私の認識です。
      ※ただし、その場合はあらかじめこうした試験機を持っている業者さんが圧倒的に有利ではないか?という話にもなりますので、単純なことではないという点についても理解しているつもりです。

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