ども。
八雲地域と熊石地域の気温差に驚く担当ちゅんです。
先日、とある施設で光回線の開通に伴う事前確認が行われ、我々もその現場に立ち会いました。確認作業は通信事業者さんが行うものなので、指示だけ出させてもらえば後は見ているだけ。現場監督といえば格好いいですが、肉体労働では無い代わりに瞬時にいろいろなことを判断しなければならず、それはそれで大変な仕事です。
さて、その現場での出来事です。実は、その現場は「難工事」が予想され、これまでに我々が立ち会わずに2回ほど現調が行われては「失敗」に終わっていました。というのも、こんな悪条件が重なっています。
・ 宅外の配線は架空禁止、全て地下埋設の配管を通さなければならない。
・ そもそも、配管のルートは不明。通るかはやってみなければわからない。
・ 運よく配管が通ったとしても、建物内部でどのように配線されているか不明。
・ 天井の建材はビス止めだけではなく糊付けがされていて剥がすことができない。
・ よって、既存の電話回線自体がどのように配線されているのかわからない。
こうした状況の中、通信事業者の技術者は最終手段ともいえる秘密兵器を持参されました。それは、人間ドックの胃カメラなどでお馴染みの「内視鏡」です。人体に使うものと比べて太さはやや細めですが、手元のコントローラーを使って上下左右、フレキシブルに曲げることができます。先端部にはカメラが取り付けられていて、小さい穴の隙間からワイヤーを通すと、内部で配管や配線がどうなっているかわかるというわけです。こういう道具が存在していることは知っていましたが、実際に見たのは初めてでしたので大興奮。そして、この内視鏡を見た瞬間、正直「今回は成功だな」と思いました。
しかし、予想に反して調査は大苦戦。どうやら地下埋設の管自体はすんなりとワイヤーが入ったようで、建物内部の壁付近で「ガサゴソ」と音はしていますが、肝心の入り口がわかりません。
ある程度の目星をつけ、壁に小さな穴を開けて例の内視鏡を入れてみますが、そこには「強電」のケーブルしかなく、電話などの「弱電」のケーブルはありませんでした。
そこからは穴という穴、手当たり次第に内視鏡を入れてみましたが、結局、入線ルートは確保できませんでした。業者さんいわく「地下埋設の管は建物の入り口で終わっていて、そのあとは管を使わずにケーブルが引かれている可能性がある」とのこと。これ、建物の建築工事の最中の、壁を貼る前にやられたものと思われますが、後からはどうすることもできない、厳しい状況です。
結果、3時間くらいねばって調べましたが、時間切れとなり調査はまたしても失敗に終わりました。現場に残されたのは内視鏡を通すために開けられた5cm四方くらいの穴だけ・・・。プレートは取り付けましたが、何とも痛々しい状況となってしまいました。後日、作戦を練り直してリベンジです。
まさに「職人技」でした。結果は残念でしたが、貴重なものを見させてもらいました。
(投稿者:ちゅん)