ノートパソコンの故障で、時々見かけるのが「通電するも起動せず」です。これは、電源スイッチをONにすると、電源のランプ(LED)は点灯するのですが、最初に起動するBIOSが出ず、画面に変化が無い状態を言います。対処方法は、バッテリとHDDは外してしまいます。更にメモリとCPUなどは一度外して組み直す。それでもNGなら、BIOSデータ保持用のボタン電池を外す。俗に言う「CMOSクリア」ってヤツを試みます。これでもダメならメモリやCPUを動作確認品と交換して見る等々の作業を順番に試します。勿論、外部モニタを繋いで見るとかACアダプタ交換と言うのもやります。ここまでやってもBIOSが出なければ、やはりメインボード(母板)の不良を疑います。
ここで、メーカーへ修理を出せば簡単なのですが、この修理費(部品代+工賃+送料)が高額です。下手をすれば、現行の窓7ノートPCが買えそうな場合もあります。ネットで探せば新品のノートPCって安いですからね・・・。もったい話ですが「買い替え」を提案する事になります。しかし、ハードマニアの私としては納得できません。
ネットで調べていると、面白い修理記事を見つけました。「通電するも起動せず」が多い特定機種でのモノですが、大変興味深いです。多少の半田付けには自信がありますが、表面実装されている場合、再半田は不可能だと思っていました。GPUなどのチップセットはこの方式で母板と半田付けがされています。部品底の金属部分と母板の金属表面との間にクリーム状の半田を挟み、全体に熱を掛けます。半田の融点200℃強まで温風や赤外線などで加熱して、半田付けをするのです。この半田付け方法を「リフロー」といいます。(フローとリフローの詳しい解説はトキワ電気さんをご覧ください。)この、リフローの特徴は時として弱点になります。高温になると半田が溶けて電気的接続が断たれる事があるのです。でもそんなにPC内部が高温に成るのかって?それが意外に簡単に成るらしいのです。そう!CPUファンが回らなかったり、放熱フィンに綿ぼこりが詰まった時に、GPUなどは半田も溶けるくらいの超高温になります。やはり、掃除は大事ですね!悪いことに半田が溶けた場所は、表面実装された部品の底なので調べようがありません。お手上げですね!
そこでダメ元で、もう一度リフローする強者がいるのです。母板を取り出し、余計な部分に熱が掛からぬように断熱して「ヒートガン」とか「ホットガン」と呼ばれる、ドライヤーの親分みたいなヤツでもう一度炙るんです。炙り方の実写映像がYouTubeにたくさん上がっています。根治?と言えるかどうかは意見が分かれますが、やってみたいです!!
「求む!人柱のPC!」です。おっと、その前に「ヒートガン」を入手しなくちゃ!
リフロー事例の多い、表面実装されているA○IのGPUは左端
(投稿者:92)