対岸の火事ならぬ他国の洪水の話です。タイでは、7月下旬から始まった大洪水により、被害が沢山発生しています。TVや新聞でも日系企業の工場が操業停止になるなど多くのニュースが報じられています。パソコン業界でも気になるニュースがありました。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)製造世界最大手のウェスタン・デジタル(Western Digital 以下:WD)が、タイの大洪水により操業を停止したらしい。10~12月の現四半期では、需要に応える生産能力に「甚大な悪影響が出る!」とプレスリリースしている。これにより、歳末商戦に向け生産準備を進めている各PCメーカーへのHDD供給が不安視されている。特にノートPC用のHDDは、出荷に悪影響を及ぼすことが必至らしい。
なぜ、WDの操業停止がこんなに大事かというと、同社は、HDD生産世界最大手なのです。タイ工場は、その生産の約60%を占めており、その半分以上がパソコン市場向けだからなのです。大洪水の影響でWDに限らず、複数の関連部品メーカーも操業を停止したため、HDDメーカー他社にも影響が出始めているらしい。これまた、大手のシーゲイト・テクノロジー(Seagate)も、部品や原材料の調達に支障が出ていると報じられている。
早速、秋葉原でもHDDの値上げが始まったらしい。WDの3.5インチSATA-3の2TB(WD20EARX)が、今週は700円も値上がりして6,280円になったSHOPがあると、WEBで話題となっている。そもそも、アキバのお店は為替に敏感で、毎週売り切り分の在庫しか持たないのが常識となっている。なので、今回のタイ大洪水も決して「対岸の火事」ではない。でも、ITってなんてグローバルな世界なんだろう!
WDのHDD。こんな部品が値上がり模様です。
(投稿者:92)