東西で電気を融通できない理由

原発事故関連のニュースを毎日見ているうちに、学者や解説員の言っていることがかなり理解できるようになってきた「にわか解説員」の担当ちゅんです。

さて、関東地方では電力不足から計画(輪番)停電が行われ、様々な分野に影響を及ぼしています。電気に関して全くの素人である私からすれば「夜間に蓄電しておけばいいんじゃないですか」と思うのですが、これを言ったら隣の席から「それができたらノーベル賞だよ」と。電気の使用量が少ない深夜帯に全力で発電して、それを貯めておくということが電力供給(発電所)にはできない、ということが大問題なのですね(例外として揚水発電"余った電力でダムに水をくみ上げておく水力発電"は存在しているそうです)。

そして、日本の東西(概ね信濃川をはさんで東と西)で電気の周波数が違うということも、今回の計画停電には大きく影響しています。東日本で供給される電気は50Hz、西日本は60Hz。これを融通しあうには、周波数を変換する必要があるのですが、周波数を変換できる施設は日本にたった3箇所しかないんだそうです。これらの施設がフル稼働して一日に変換できるのは100万kW。首都圏で不足が見込まれる1000万kWには遠く及びません。「じゃあ変換施設をたくさん造ればいいじゃないか」とまたしても『にわか解説員』は考えたのですが、変換施設の建設には発電所を新設するのと同じくらいの莫大な費用がかかるので、変換するくらいなら発電所を造ってしまうほうが効率がいいという話になるのだそうです。

そもそも、なぜ東西で周波数が異なるのかといえば、歴史的経緯で東日本はドイツから、西日本はアメリカから技術を導入していて、それぞれ50Hz交流と60Hz交流だったから、という単純な理由なんだそうです。実は、同一国内で電気の周波数が統一されていない国は日本くらいなんだそうで、これをいまさら統一するとなれば、それこそ「地デジ化」なんてものじゃないほどの費用と混乱が生ずると予想されます。どちらに合わせるにしても、工業機械から家電製品まで全て新調するなんてことが、現実にはムリでしょう。

某人気アニメでは日本の電力を1箇所に集める「ヤシマ作戦」が描かれていましたが、今の日本では不可能な作戦ですね。

周波数
赤が50Hzで青が60Hz。綺麗に真っ二つです。

(投稿者:ちゅん)


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