インターネットは災害に強い?

東日本大震災の被災地では未だ十分な支援物資が届かずに、不自由な生活を余儀なくされている方がたくさんいるとの報道がなされています。本日、外勤中に八雲の自衛隊駐屯地からも「災害派遣」と書かれた大型トラックが3台ほど出発していくのを見ました。道路の状況も徐々に良化しているとのことで、一日も早く被災地に物資が届けられるよう願っています。

さて、今回の震災では電気・ガス・水道といったインフラに大打撃があった反面、やはり「インターネット」は強いなと感じます。震災直後、ほとんどのインフラが停止していく中、Twitterには被災地からの生の声が溢れていました。「○○地区の避難所にはほとんど物資が無い」「○○で被災して身動きが取れない」など、瞬時にリツイート(RT)され、私のタイムライン(TL)にもどんどん情報が流れてきました。

しかし、あれほど甚大な被害が出ている中で、なぜインターネットは止まらなかったのでしょうか。

それにはいくつか理由がありますが、そもそもインターネットという技術は軍事利用が目的で生まれたものです。ある一箇所に軍事データを集中させていては、そこに爆弾が落とされて被害にあうとデータを全て失ってしまう。そこで、複数の拠点にデータを分散し、通信でやり取りする仕組みが研究されました。この仕組みこそがTCP/IPと呼ばれ、現在のインターネットのベースになっています。
つまり、ある場所の回線に致命的なダメージが発生しても、ほかに通じている回線を見つけて回避していくことができる「仕様」となっているのです(ただし、基本的には電気が通じていないと家庭ではモデムに電源が行きませんから、ネットは使えません。これはあくまでインターネット全体を捉えての話です)。

「蜘蛛(クモ)の巣」という意味をもつ「Web」という英単語が使われているのも、こうして回線が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、ページとページがリンクで複雑に関連していることに起因しています。だから、インターネットは災害に強いのです。

今回の災害で、携帯電話はつながり辛くなりましたが、Twitterのダイレクトメッセージをやり取りすることで携帯メールとは比べ物にならないほど安定した通信ができましたし、会話もSkypeを利用することで問題なく可能との話もありました。自治体の情報システム担当として、こうした技術を災害時に利用できないか、今後検討していく必要があると感じています。

Twitter スクリーンショット
今でもTwitterには切実な声が多く寄せられています

(投稿者:ちゅん)


カテゴリー: つぶやき パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です