無線LANと電子レンジ

パソコンのネットワークで使用される無線LANの規格でIEEE802.11gみたいな表示をみたことがありませんか?

一般家庭に普及している無線LANは、IEEE(アイ・トリプルイー)という規格で、周波数や変調方式等を国際標準で定めています。この中の802.11b、802.11gや802.11nなどが2.4GHz帯という周波数を使用しています。この周波数は、TV、ラジオや携帯電話などよりはるかに高い(波長が短い)極超短波と言われる周波数なのですが、この2.4GHz帯が面白いのです。何がって?

順序立てて話をすると、まずISMバンドであること。ISMとは、Industry-Science-Medicalの頭文字で、日本語に訳すと、産業・科学・医療用の周波数帯となります。これは、国際機関であるITU(国際電気通信連合)によって指定されいて、電波をもっぱら無線通信以外の産業・科学・医療等の高周波エネルギー源として利用することになっています。この本来無線通信に使わないようにしてあった(言い換えると、あまり使われていなかった?)周波数なので、ISM機器からの混信を許容した上で、アマチュア無線に二次業務として使用する事が許されたりしていました。更にこれらの割り当てと重複する形で、最近急増した無線LAN等でも使用されるようになったのです。ちなみにISM機器からの電波の漏れは、厳しく制限されており、他の機器に影響があるようなことはほとんどありません。また、電子レンジや工業用加熱炉の多くはISMバンドの中心?を使っていますが、無線LANはバンドの端を使っています。なので同じ周波数帯でも共存が出来るのです。

次にISMバンドの本来目的である「高周波エネルギー源」に電子レンジのマグネトロンがあります。ご家庭の電子レンジも2.4GHz帯の電波を出しているのです。しかし金属で遮断された「庫内」に発射され、それらは暖める食品などの水分子を振動させます。振動することにより発熱して調理が出来る仕組みなのです。電子レンジは、水分が無ければ暖かくならないのです。試しにお皿だけをチンして下さい。お皿は冷たいままです。さて、この電子レンジから、少し電波が漏れたとします。勿論、漏れても人体には健康被害が出ない程度の話です。しかし当然、無線LANには影響すると思われます。しかし、ISMバンドは無線通信が主の周波数でないので致し方ない・・・・となるのかな?

IEEE802.11aとbとgの使えるLANカード
大出力の無線LANなら冷凍食品も”チン”と解凍出来る?

(投稿者:92)


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