CPU切替器の怪

ども。
食欲の秋に気をつけている担当ちゅんです。

先日、当町の基幹系システム用端末を一斉に更新しました。7年くらい利用してきたもので、かなり古くなっていてトラブルも頻発していました。Windows 7のサポート切れが目前となってきたこともあり、ついにWindows 10に切り替えました。

これまでよりも高速に動作するよう、ディスクにはSSDを搭載。職員からはさぞかし喜ばれることだろうと思っていたのですが、切替実施後の翌開庁日、しかも朝一で「パソコンの画面が映らないのですが」という問い合わせが続出してしまい、毛穴という毛穴から汗が噴き出す状況になってしまいました。

今回、トラブルが発生したのは、情報系PCと基幹系PCとでCPU切替器を使って1台のモニタ・1組のキーボードマウスを共有していた端末。画面が映らなくなった原因は、ほぼこの切替器が関係していることは間違いなさそうな状況でした。しかし、端末展開直後の動作試験では全く問題なく、なぜ翌開庁日になって不具合が出たのかが不明です。
ただ、この現象を解決する方法はすぐに発見し、CPU切替器に接続されているメインケーブル(途中で二股に分岐してPCに接続するもの)を一度抜き差しするだけ。こうするとPCの画面はちゃんとモニタに表示されました。

今回のCPU切替器には電源アダプターは付属しておらず、PCのUSBポートから受電してバスパワーで動作するものでした。メインケーブルを抜き差しすると切替器の電源が落ちるので、ここから電気をもらっていることは間違いありません。このケーブルの抜き差しで直るということは、おそらく電源の入り切りをする行為が効いているのでは?と予想しました。
でも、それであれば朝一で動作しなかったことが腑に落ちません。朝、PCの電源を入れた時点ではじめて切替器に通電されるはずで、そのタイミングでケーブルの抜き差しが必要となる理由がわかりません。

ここで、ふと「最近のPCには電源がオフでもUSBポートから給電できるものがある」と思い出し、現場を確認してみるとこれがビンゴ。PCの電源はオフなのに、切替器の電源はオンになっていました。
つまり、PCとのディスプレイ接続が切れているのに切替器の電源は入っていて、モニタ出力を正しく認識できなくなってしまったこと(エミュレーション機能のタイムアウト?)が原因ではないかと想定。

そのことを納入業者さんに伝えると「もしかして」と。
実は今回納入されたPC、電源がオフの状態からキーボードで特定のキーを入力すると電源をオンにできる便利機能が搭載されていました。これ、裏を返せば「PCがオフの状態でもキーボードまで通電されている状態」ということで、このUSBポートに切替器をつないでしまったがゆえに、「PCがオフになっても切替器の電源はオンのまま」という想定外の事態が発生していたことが判明。
別なUSBポートに切替器をつなぐと、PCの電源オフとともに切替器の電源も切れるようになり、一件落着となりました。
便利な機能なのですが、思わぬ落とし穴でした。もし「電源オフ時の給電」に気がつかなかったら、今も右往左往していたと思うとぞっとします。偶然気がつけたことは運がよかったです。

USBポート
よく見ると、ポートの下にキーボードの絵が。これが原因でした。

(投稿者:ちゅん)


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