先日、札幌で行われた総務省主催の「自治体へのクラウド導入の全国的展開に向けた説明会」へ行ってきました。全道から自治体関係者を中心に300名以上が集まり、先進技術動向に耳を傾けました。
最近TV等でも「クラウド」という言葉をよく耳にするようになりました。正に今が旬!ICT業界のトレンドなのです。これって「雲:cloud」が語源で、よくインターネットのことを、モクモクと雲の絵で表現することが一般的なのでこう言われ始めました。つまり、インターネット技術を使った「仕組み」の一つと言うことです。では、自治体におけるクラウド導入とはどういう事なのか超簡単に説明してみましょう。
- 家庭でインターネットを利用してお買い物をするとします。毎度利用する店なので、ユーザIDとパスワードを入力すると「ようこそ○○さん」と表示されます。これは、あなたの氏名はお店のシステムにしっかり登録済みってことですよね。
- 数点のお買い物をすると、合計金額が自動的に計算され画面に表示されます。この計算は、お店のシステムがしていて、あなたのPCは、インターネットを通して結果(合計)を表示しているだけです。
- クレジットカードで代金を払うことにします。カードの番号等を入力します。カード会社から承認が得られたら、次の画面進みます。お店はカード会社との契約により、四六時中カードの有効性をネットで照会可能になっています。
- 送り先の住所を確認して、これで全てよければ「確定」のボタンをクリックします。そうすると、契約内容の画面が表示され、これを自宅のプリンターで印刷して控えを取っておきます。この、お問い合わせ番号をはじめとする印刷用画面の内容は、お店のシステムが自動で作成します。
- あとは商品の到着を待ちます。
もう少し説明を加えます。
- 一般に、お店のシステムは、お店で独自に開発した物ではなく、ICT業者のシステムを利用している。そのシステムが入っているPCは、お店にはありません。普通にインターネット接続された市販のPCがあるだけで、顧客管理、注文状況が確認できます。万が一、天変地異によってPCが、お店ごと壊滅的被害を受けても、別なPCをネットに繋ぐだけでOK!、データは全てICT業者のサーバー側に有るので今までどおりの仕事が継続可能である。
- 実はこのお店のシステムは、複数のお店が共同利用し割り勘効果でコスト削減している。
- お客さんのPCは必ず家庭の同じPCである必要が無く、友人宅のPCからでも、自分のお買い物が出来るし、今まで買った商品の一覧も確認出来る。
以上は、ネット通販の一般的流れです。これが理解出来れば、自治体へのクラウド導入を理解できます。例えば次のような感じでしょうか?
- 町ではAさんに税金を賦課することとなりました。担当職員はAさんの個人番号を入力します。氏名住所などが表示されます。Aさんの基本情報は既に町で把握しています。
- 税額(金額)を入力します。納期毎の納付額が自動で計算され表示されます。
- Aさんは銀行口座からの自動引き落としを利用していないので、次へ進みます。
- 内容を確認して良ければ、印刷します。そうすると手元のプリンターから通知書と納付書が印刷されます。
- あとは書類一式をAさんへ送れば終了です。
何となく似ていませんか?では少し説明を加えます。
- 税金のシステムをICT業者等のデータセンター(庁舎外)に構築する。つまり手元にデータを保管しないので、セキュリティやデータバックアップの心配が要らない。庁舎のサーバ管理要員も不要になる。
- 同じデータセンターを利用する複数町村は、システムを共同利用する。割り勘効果によりコスト削減が期待できる。
- 担当職員は業務専用の端末機ではなく、ネット接続された普通のPCが使える。市販の安価なPCの利用が可能であり、専用ソフトは不要(使うのはブラウザのみ)なので故障対応も簡単になる。
全くもってその通りなのです。クラウドは自治体にとってバラ色のような話です。なので、財政状況が厳しい現在、総務省ではクラウドを全国の自治体へ展開し、経費の削減を図るように指導していく事としています。特にクラウドでは、住民の個人情報の管理・保存を民間のICT業者に委託する事になるので、この辺の具体的なガイドラインを総務省でまとめるとしています。
でも、本当にそうなのか?上手い話には裏が・・・つづく?
総務省高度通信網振興課長から檄が飛びました?
(投稿者:92)