こんにちは!社会教育課のぐみです。
前回に引き続き、4回目の八雲学講座の様子をご紹介します。
11月20日(水)には、酪農家の都築享子さんを講師にお招きし、
「近代酪農発祥地・八雲~みんなで作った『八雲町酪農百年記念史』、その編纂舞台裏~」
というテーマでお話を伺いました。
道内における近代酪農発祥の地と言われる八雲町。
その変遷をまとめた「八雲町酪農百年記念史」が昨年9月に刊行されました。
現役酪農家や元農協職員らが3年がかりでまとめあげた260ページは、史実に加えコラムや写真なども多数盛り込まれ、八雲町における酪農の昔と今を学び、これからを考えていく上で必読の1冊!
その編纂舞台裏について、編纂責任者をつとめられた講師から、エピソードたっぷりにお話しいただきました。
今回は担当職員と講師との掛け合い形式で実施。わたしもドキドキ。
講師自身も「えっ、八雲の酪農って100年になるの?」と人づてに聞いたところからすべては始まったそうで、酪農仕事で忙しいし、記念史作成なんてなかなかできないよね…無理だよ…と話が立ち消えそうになったところ、都築さんは
「百年に1度という節目にはなかなか立ち会えない!」
「ここで記念史にまとめなければ先人たちに申し訳ない!」
という想いから記念史作成に着手され、編纂責任者として奔走。(すごい)
知識、予算、経験、どれもがゼロからのスタートだったということで、その編纂舞台裏は本当に苦労の連続だったそうなのですが、
町内各地域でまとめられていた酪農史、
情報を寄せてくれる町民、
原稿を書いてくれる関係者……たくさんの想いある皆さんの協力を得て、まさに足元からひとつひとつの手作りで完成された、我が子のような記念史なのだそうです。(涙)
八雲で連綿と紡がれてきた歴史と情報、人…まさに「八雲だからこその土壌」があったこそ作ることができた1冊なのだと感じました。
作成にあたって参考にされた各地区の酪農史たちも持参いただきました。
人間の半分は男性と女性なんだから、男性だけではなく女性も学んでいくことが必要!と、
「女子」酪青研(日本酪農青年研究連盟)が日本で初めて組織されたのもここ八雲町…ってエピソード、すごくないですか?
その記念すべき1回目となる海外研修(スイス研修)にも、(全国から参加者を募集したけど)八雲町から9名もの女性が参加したそうで!
それも一軒一軒酪農家を回り、「お宅のお嫁さん、お嬢さんを、ぜひ研修に行かせてやってくれ!」と頼んで回られた方がいたのだとか。(すごい、すごい…)
講師の家に眠る、当時の研修アルバム(秘蔵写真)も見せていただき、当時の海外における酪農の状況を学ぶことはもちろんのこと、
そこに付随する生活文化も細かく視察されていたようで、学習への意欲というか、教養の高さというか…そういったものが八雲町にはDNAとして昔からあったんだ、八雲ってすごい、と改めて感じました。