村岡 格

村岡 格

森町の医師

明治時代・大正時代

噴火湾側の落部地域

アイヌ民俗資料の調査研究

村岡 格(むらおか ただし)は、アイヌの民俗資料を調査研究し、収集したことで知られています。
松前藩医の家に生まれ、早くからアイヌ文化や考古学に関心を持ち、落部アイヌの有力者だった辨開凧次郎(イカシパ)らと交友を持ちました。

辨開凧次郎とのつながり

村岡は、辨開が東宮殿下の御結婚を祝して子熊を献上するという発想から、上京して拝謁を賜った時の手続きや世話・通辞(通訳)等を果たしました。また、八甲田山遭難事件の遺体捜索に辨開らを推薦したこと、大沼公園で皇太子殿下をお迎えしたこと等、辨開のために大きな力となりました。

ピリカ会

明治・大正にかけて森町で医者をつとめた村岡がアイヌ文化の調査研究と記録を目的に掲げて設立した団体です。
渡島半島のアイヌの歴史や文化に関する資料が極めて少ない中、村岡の収集したアイヌ民俗資料は、森・落部とその近隣地域に関するまとまった資料群でありとても貴重な存在です。
その多くは、遺族により松前町教育委員会に寄贈され、松前町指定文化財となっています。

辨開凧次郎着用のカパラミプ
辨開凧次郎(イカシパ)着用衣服 カパラミプ(木綿衣)/松前町教育委員会所蔵
辨開凧次郎着用のチンパオリ
辨開凧次郎(イカシパ)着用衣服 チンパオリ(陣羽織)/松前町教育委員会所蔵